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10円で充電完了! 超小型電動バイク「GOGO!」を試してみた

2021年04月08日 11:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
超小型電動バイク「Future mobility“GOGO!”」(以下、GOGO!)の一般販売が始まった。フル充電に必要な電気料金は約10円、最高時速は30キロ、ヘルメットの着用は任意というハードルの低いパーソナルモビリティだ。女性レーサーがプロデュースするGOGO!の走りはどうなのか。試乗してきた。

○カーボン素材を活用し軽量ボディを実現

Futureが開発・販売する超小型電動バイク「GOGO!」。急速充電なら約2時間でフル充電が可能で、航続距離は約30キロだ。最高速度は時速30キロに設定されている。

GOGO!は「超小型モビリティ」に属する乗り物だ。国土交通省によれば超小型モビリティとは、(1)自動車よりコンパクトで小回りが利き、(2)環境性能に優れ、(3)地域の手軽な移動の足となる1人~2人乗り程度の車両を指す。ここ最近、この手のモビリティは種類が増えているが、その背景としては、電気自動車(EV)などゼロエミッション車両の開発・普及が進んでいることが挙げられる。

そもそも自動車の利用実態は移動距離10キロ未満、乗車人数2人以下が大半だというから、超小型モビリティの潜在需要は高いはず。新型コロナウイルスの感染拡大により、ソーシャルディスタンスを保てるパーソナルな移動手段に対するニーズはさらに高まっている。一般販売が始まったGOGO!も、「コロナ禍でも商品を配送したい」「通勤や通学時に電車で密になるのが怖い」といった地域住民からのSOSをきっかけに開発がスタートしたという。

開発を手がけるFutureの代表取締役CEOは、世界最高峰のカーレース「2014年WBC世界耐久選手権」で女性として初めて表彰台に上るなど、世界的に活躍したレーサーの井原慶子氏だ。同氏は日産自動車の社外取締役でもある。

井原氏がプロデュースしているだけに、GOGO!は多くのレーシングテクノロジーを取り入れている。ボディには積極的にカーボン素材を採用。これにより、高い剛性とスタンダードモデルで車体重量23キロという軽さを両立させている。

マルチリーンステアサスペンションを装着することで、直感的に操作できる楽しい乗り物を目指したという井原氏。GOGO!は前2輪・後1輪の3輪タイプなので、転倒リスクも低い。

もちろん、ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプといった保安部品を装備しているので、公道走行も可能だ。保安基準では原動機付自転車に該当するが、道路交通法では第一種原動機付自転車(ミニカー)に分類されるため、ヘルメットの装着は必須ではない。

気になる航続距離だが、GOGO!には48V9.6AHと48V16AH(オプション)の2種類のリチウムイオンバッテリーが用意されており、フル充電だと前者は最大30キロ、後者は最大60キロを走行できる。

○操作方法は?

ここからは実際に試乗して体験したポイントを踏まえて、車両を紹介したい。

まずはハンドル左側にある赤いスイッチを右に移動させ、その後にハンドル中央寄りにある「M」ボタンを長押しすると、モーターが起動する。

このままアクセルを回せば走り出しそうなものだが、GOGO!では、ここで出力を決定する。出力は5段階で、「M」ボタン上下のボタンで調節できる。通常は「5」に設定しておけば問題ない。これで準備は完了。アクセルを回せば走行可能な状態となった。

最高時速30キロとはいえ、車体が軽いので走り出しは実にスムーズ。ボディがコンパクトなので、細い路地でもスイスイ走れる。

注意したいのが、ウインカー操作だ。曲がり終えたら手動で止める必要があるのだが、その際、誤って赤いスイッチを操作してしまうとモーターが止まってしまう。公道でやってしまうと、マニュアル車をエンストさせたような状態になるので意外と焦りそうだ。

試乗中はかなりの視線を感じたGOGO!。現在は各地のイベント会場に出展し、試乗の機会を増やしているという。Futureの東京デザインスタジオ(東京都・六本木)、三重本社鈴鹿工場(三重県・鈴鹿市)、名古屋ショールーム(愛知県・名古屋市)でも試乗を受け付けている。

安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。twitter:@andYSYK。 この著者の記事一覧はこちら(安藤康之)