2021年4月3~4日に、サウジアラビアのアルウラで最初のレースウイークエンドを迎えた新世代の電動オフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』は、元F1王者ニコ・ロズベルグが率いるRosberg X Racing(ロズベルグXレーシング)から参戦する、WorldRX世界ラリー選手権3冠のヨハン・クリストファーソンと、オーストラリア・ラリー選手権王者モリー・テイラーのデュオが勝利。深い砂地と砂塵が舞う電動デザートバトルを制し、歴史に名を刻む初代ウイナーの称号を手にした。
この開幕戦の週末は“Desert X Prix”と銘打ち、中東の砂漠地帯を舞台に選んだ1戦となったが、土曜に行われた予選タイムトライアルから、3台同時出走による“Crazy Race(クレイジーレース)”やシュートアウト、そして準決勝と決勝に至るまで、ロズベルグXレーシングのふたりがペースセッターとして勝負の主導権を握り続けた。
その日曜決勝を前に、最後のファイナル出走枠を賭けて争われたクレイジーレースでは、HISPANO SUIZA XITE ENERGY TEAM(イスパノ・スイザ・XITEエナジー・チーム)から参戦するWorldRX世界ラリークロス選手権経験者のオリバー・ベネットと、新進気鋭の美女ラリースト“クリスティーナGZ”ことクリスティーナ・ジャンパオリ・ゾンカ組や、元F1チャンピオンで2018年スーパーGTのGT500クラス王者でもあるジェンソン・バトン率いるJBXEらを下し、北米の名門Andretti United Extreme E(アンドレッティ・ユナイテッド・エクストリームE)の2019年WorldRXチャンピオン、ティミー・ハンセン/ケイティ・マニングス組が勝利を飾り、決勝最後のひと枠を確保した。
これでロズベルグXレーシング、X44、そしてアンドレッティ・ユナイテッドのランキングでスタートが切られたエクストリームEの初年度シーズン。各チームのオデッセイ21と機材はすべて、シリーズの“フローティング・パドック”となる元貨客船セント・ヘレナ号に積み戻され、5月29~30日開催の“Ocean X Prix”ことセネガル・ラックローズでの第2戦に向け出航する。