WRC世界ラリー選手権に参戦しているMスポーツ・フォードは、イギリスでの最初のテストの後、まったく新しいハイブリッド時代の“ラリー1”規定車のポジティブな進展を報告した。
既報のとおり、Mスポーツ・フォードとヒュンダイ、トヨタの3つのマニュファクチャラーは、2022年から始まるWRC“ハイブリッド時代”へのコミットメントをFIA国際自動車連盟ならびにWRCプロモーターと締結済み。2024年までプログラムを継続することを約束している。
その2022年シーズンでは現行の1.6リットルターボエンジンと電動モーター、バッテリーを組み合わせたハイブリッド車が競技に用いられることになるがMスポーツ・フォードは先月、他社に先駆けて新規定車の開発テストの開始をSNSでアナウンス。イギリス国内で初めての走行テストを行った。
Mスポーツ・フォードの暫定的な車両はターマック(舗装路)でのシステムチェックが完了後、森の中へと移動した。このマシンは元WRCレギュラードライバーのマシュー・ウィルソンによってドライブされている。
開発車のステアリングを握ったウィルソンはWRC.comに対し、「非常に印象的だった」と感想を述べた。
Mスポーツのマネージング・ディレクターを務めるマルコム・ウィルソンは「まだまだ初期の段階であり、実際にはロールアウトテストだが順調に進んでいる」とWRC.comに語った。
「我々はその週に森の中に(クルマを)持ち込むことを目標にしてたため、時間どおりに進められたことはチームにとって素晴らしいことであり、皆の努力の成果だと思う」
同氏によれば、チームが走らせる2022年のチャレンジャーは白紙の状態で描かれているという。
「新しいクルマは現行のフォード・フィエスタWRCとは完全に異なるものだ」とウィルソン。
「もちろんベースのエンジンは2021年のものが残るが、それを除けばキャリーオーバーはない。サスペンション、ジオメトリー、エレクトロニクス、すべてが新しくなっているんだ」
「だからこそ早い段階でテストを行い、できるだけ多くの距離を走って自分たちの置かれた状況を把握することが重要なんだ」
「(最初のテストが完了したことに)私はとても満足しているし、自分の目で見るのが楽しみだよ」