トップへ

「大きな声で言え!」高圧的な支援員に「号泣する女児」の動画拡散、志布志市「学童保育で行き過ぎあった」

2021年04月05日 12:41  弁護士ドットコム

弁護士ドットコム

記事画像

鹿児島県志布志(しぶし)市の学童保育施設で、支援員が高圧的な言葉で指導して、子どもが号泣している様子を映した動画がネット上で拡散している。学童保育の運営を委託している市は、弁護士ドットコムニュースの取材に「行き過ぎた指導があった」と認めた。


【関連記事:【画像】号泣する女児】



市によると、拡散している動画は4月1日に撮影されたもの。一人の女の子が泣いているところが映っている。そんな彼女に対して、支援員から「名前は?」「大きな声で言え」「秒数がすすんでいくよ」と厳しい声が浴びせられている。



保護者とみられる投稿によると、女の子は新小学1年生で、この日が初めての学童だった。緊張のあまり、女の子は、うまく自己紹介できなかったようだが、ほかの子どもがいる前で吊し上げられたうえ、そのあと1時間も立たされたそうだ。



この動画をめぐっては「ひどすぎる」という批判の声があがっている。市福祉課によると、市民から「市がちゃんと関与して、原因究明するように」「今後こういうことが起きないように指導をしてください」という電話がかかってきているという。



●「支援員の口調が強く」

問題となっているのは、社会福祉法人が設置した「太陽の子児童クラブ」で、市が運営を委託している学童保育施設だ。保護者が仕事などで家にいない子どもを預かっている。現在、小学1年生から6年生まで約90人が通っている。



市福祉課は4月3日、動画の拡散を把握して、太陽の子児童クラブに直接ヒアリングをしたところ、施設側も(支援員の)口調が強く、行き過ぎがあったことを認めて、「児童・保護者に大変申し訳ないことをした」と反省しているという。



市は、施設に対して、今後このようなことが起きないように指導したうえで、当時の詳しい状況や、どうしてこんな指導になったのか、どういう取り組みをしていくかなどについて、早急にとりまとめて報告するようにもとめている。



市の担当者は「今も利用されている児童・保護者がほかにも多くいるので、その人たちが安心して利用できる施設にすることが(市としての)責務だ。(施設から)状況把握や改善策などを出してもらい、その内容を精査しながら、二度と起きないように一緒にやっていきたい」とコメントした。



なお、施設にも取材を試みたが、電話はつながらなかった。



無料で弁護士に相談する