バイコレス・レーシングは、2022年をターゲットとしたレース・プログラムに備えるため、トム・ディルマンとエステバン・グエリエリを、ル・マン・ハイパーカー(LMH)プロジェクトの主な開発ドライバーとして指名した。ディルマンとグエリエリは今年、PMCプロジェクトLMHのレーシングカーの開発を軌道に乗せる予定だ。
バイコレスは当初、2021シーズンからWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦するとしていたが、ACOが発表した年間エントリーリストには記載されていなかった。
ドイツのグレーディングに拠点を置くチームは、今後数カ月のうちに「広範なテストプログラムが予定されている」と述べている。
バイコレスはまた、2022年のWECにおいて「才能のある若いドライバー」を評価する機会として、開発フェーズを使用する予定だという。
今回確定した開発ドライバーのディルマンは、バイコレスから3度、ル・マン24時間に参戦している。
「僕はバイコレス・チームで3年間ドライブしてきたので、このチームにはとても慣れている」と昨年のル・マンでは、オリバー・ウェブ、ブルーノ・シュペングラーとチームを組んでいたディルマンは語っている。
「WECのトップクラスとル・マン24時間レースに向けた新しいLMHの開発は、非常にエキサイティングな仕事だ」
「これまでのキャリアの中でも、実際のレースのかたわらで多くのマシンの開発に関わってきた。直近では、LMP1とフォーミュラEでね」
「僕の経験をこのプロジェクトに持ち込み、その始まりからプロジェクトをガイドする手助けができることを、楽しみにしている」
グエリエリは以前に、プライベートテストでバイコレスのENSO CLM P1/01を試したことがあるが、今回の決定によりさらなる役割を担うことになる。
アルゼンチン国籍のグエリエリは、ホンダのマシンで出場した昨年のFIA WTCRでランキング4位となり、ニュルブルクリンク24時間のTCRクラスでは優勝も飾っている。
「カートからほぼすべてのフォーミュラ、最速のツーリングカーに至るまで、僕のキャリアのなかでは、モータースポーツで体験できるほぼすべてのクルマを運転してきた」とグエリエリは述べている。
「いま、僕はこの新しいプロジェクト、そしてバイコレスのLMHでのテストを楽しみにしている」
「多種多様なマシンでの豊富な経験が、PMCプロジェクトLMHの一環した開発と、プログラムの成功に役立つと確信している」
「同時に、これは僕のルーツへと戻る道でもある。チームには、F3時代をともに過ごした当時のメンバーが、いまも何人かいる」
バイコレスは昨年9月のル・マンで、PMCプロジェクトLMHを発表し、ロードカー、サーキット専用車、LMHという3つのバージョンのクルマの概要について説明していた。
もともとは2021年のWECにデビューする予定だったLMH車両の開発プログラムについて、バイコレスは「信頼性、パフォーマンス、電子機器のセットアップ、長距離テストなどが含まれる」としている。