2021年04月02日 13:11 弁護士ドットコム
新型コロナウイルス対策として新たに設けられた「まん延防止等重点措置」について、略称「まん防」が浸透しています。
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大阪府など1府2県で、4月5日から緊急事態宣言に準じた「まん防」が適用されることになり、メディアも「まん防」の略を使用しています。
しかし、西村康稔経済再生担当相は「ふざけたような雰囲気」があるとして、使わない考えです。小池百合子都知事も同じく「まん防」を東京都で使わないと発言しました。
インターネットの反応も否定的なものが少なくありません。このまま使われなくなっていくのでしょうか。
西村大臣は4月1日、参議院運営委員会で、「『まん防』という言い方は基本的に使わないようにしている。ちょっとふざけたような雰囲気もある。まん延防止としっかり言っていきたい」と述べました(時事ドットコム・同日配信)。
小池都知事も、この日の会議において「『まん防』っていう言葉、東京都では使ってないんです。重点措置です」と強調したといいます(東京新聞・同日配信)
「まん防」という略し方には、ツイッターなどSNSでも、「茶化した雰囲気になる」「危機感や緊迫感にかける」「語感で脱力してしまう」など、言葉から受ける印象に対して否定的な意見が少なくありません。
また、全く別のものを想像する人もいました。
指摘されていたのは、魚の「マンボウ」や「まんが喫茶マンボー」、陽気なラテン音楽「マンボ」。ほかに、「肥満防止」「万引き防止」の略ではないのかというものです。
2014年に放送を終えたテレビ番組「ヤン坊マー坊天気予報」や、エッセイ「どくとるマンボウ」シリーズの作家・北杜夫さんを思い浮かべ、なつかしむ人も。
東京都の総合防災部では4月2日、小池都知事の発言について、取材に「わかりかねる」と回答しました。
厚労省の資料などを見ても、「まん防」という略し方は見つかりません。
かわりに、「インフルエンザ等まん延防止等重点措置(以下「まん延防止等重点措置」という。」などの略し方をされています。
そもそも、「まん延防止等重点措置」という言葉がすでに略されたものだったのです。
新型インフルエンザ等対策特別措置法をみても、「新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置」との名称で定義がなされています。
さて、「まん防」という略されかたは、いつごろから始まったのでしょう。
NHK首都圏ナビの記事(3月19日)によれば、感染症対策分科会の尾身茂会長が、緊急事態宣言解除をうけた3月18日の会見で、「まん防」と繰り返し発言したことについて、「マンボウ、マンボウって言っているけど何だろう」などとネットの反応を紹介していました。
18日時点でまだ「まん防」の略称は、浸透していなかったようです。