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寿美菜子、渡英期間半年延長への想いとは「イギリスで悔いの残らないように生活できたら」【寿美菜子のAnother Wonderland in the UK 第12回】

2021年04月01日 19:12  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

寿美菜子、渡英期間半年延長への想いとは「イギリスで悔いの残らないように生活できたら」【寿美菜子のAnother Wonderland in the UK 第12回】
現在イギリスで生活中の声優・寿美菜子さんが、イギリスでどんな日常を送っているのか、寿さんの言葉でリアルに伝えていくインタビュー連載「寿美菜子のAnother Wonderland in the UK」。

前回は、ロンドンに珍しく雪が降った風景や、「1月で一番楽しかったかも」と語るBurns nightの様子、さらにバレンタインにまつわる幼少期の甘酸っぱいエピソードにも迫りました。

第12回となる今回も、寿さんが撮った写真とともに先月のイギリス生活を振り返ります。2月に入りロックダウンが緩和したイギリスでの過ごし方のほか、さらに、1年を予定していたイギリス生活期間を今年秋までの延長することを発表したことについても伺いました。
[取材・文=米田果織]

■イギリスがロックダウン緩和! 自主隔離、PCR検査も経験した2月
――イギリスのニュースを調べていると、2月はロックダウン緩和について大きく取り上げられていました。

寿:本格的に緩和が始まるのは4月になりそうです。小中高の学校は3月から始まっていたりするのですが、私の学校は残念ながらまだ始まっていません。

今学校に通っている方々は、親御さんと共に2週間に1度のペースでPCR検査を受けないと学校に通えないそうなんです。検査を受けたくない方は、家でのオンライン授業を選択できるようですが。

――YouTubeでは、寿さんもPCR検査をした動画を公開されていました。寿さんの安全はファンの皆さんが心配されていたことだと思いますが、改めて、検査した経緯を教えてください。

寿:イギリスではNHS(イギリスの国営医療サービス事業)のアプリがあり、登録すると自分の位置情報が共有され、利用した場所などで新型コロナウイルス感染者が出ると通知してくれるのですが、ついに私にもお知らせが来てしまい……。
4日間の自主隔離を指定されたので、それから4日間は自分の部屋から出ずに過ごしました。


――買い物などに行けず、窮屈した4日間だったのではないでしょうか?

寿:いえ、その間はホストファミリーが「買ってきてほしいものがあったら言ってね」と気遣ってくれたので、すごく助かりました。

――自主隔離+PCR検査という指定があったのですか?

寿:決して必須ということではなく、私は急ぎのお仕事があったため、隔離期間を終えたらすぐに収録しなければならなかったんです。4日間の隔離期間は終わっていたのですが、不安のないようにしたいと、先方が検査キットを用意してくださいました。

――周りにコロナ感染者がいない場合、あまり自分ごととして捉えていない人もいるかもしれません。そんな方にとって、寿さんの動画は注意喚起になったとも言えそうです。

寿:そうだと嬉しいです。私も、イギリス生活をしていて周りにコロナ感染者はいませんでした。日本のお友達から「周りにコロナになった方がいた」「自分がかかった」という話は聞いていたものの、それこそ私も通知がくるまであまり身近に感じていなかったかもしれません。

――とくに日本と比べ、イギリスではワクチンも普及されていますからね。

寿:感染した話よりも、「ワクチン打ったよ」という話の方がよく聞きます。

――なるほど。そんな2月の思い出を、写真と共に振り返っていきましょう。

■怪しいお店に潜入? イギリスでの「ハズレ」エピソードも


――今月もステキなカフェに行かれたんですね。外観も内装もすごくかわいい!

寿:私も今、写真を見ただけでニヤニヤしちゃいました。

――いつもInstagramで気に入ったお店に行っていると言っていました。今回はどのようなところが気に入ったのでしょうか?

寿:このOzone Coffeeは、ニュージーランド発祥なんです。もともとニュージーランドの本店のInstagramは見ていたのですが、イギリスにもカフェがあることを知って「美味しそう!」と思って行ってみました。

――寿さんは、カフェのどのような点を見てお気に入りを決めていますか?

寿:かわいい店内に惹かれがちですね。このカフェは、置いてあるメニューやカップもかわいいんです。


――コーヒーの味はいかがでしたか?

寿:見た目がかわいいだけでなく、フラットホワイトも少しフルーティーな風味があって、飲みやすくて美味しかったです。


こちらは2度目に行ったときに撮った写真です。1度目は14時閉店だったらしく、すでにクローズしていたんです。その日は外観だけ見て帰るという悔しい思いをしたので、今回やっと飲むことができました。

――リベンジできて良かったですね! こちらのお写真は……?


寿:一見工場みたいで怪しいですよね(笑)。実は、オーガニックのサラダ屋さんなんです。スタジオの方から「ここはオーガニック野菜を使っていて新鮮で美味しいよ」と聞いていたのですが、入るのに本当に勇気が必要でした。

店員さんもドレッドヘアの強面だったので「本当に入って大丈夫なのか?」とギリギリまで悩んだのですが、声を掛けてみたらすごく良い方で。メニューについてすごく丁寧に説明してくれました。
スープとリーフサラダで迷って結局リーフサラダを頼んだのですが、その後に「スープは頼んだことあるの?」と聞かれて「ない」と答えたら、「じゃあ付けとくね!」とオマケしてくれたんです。どちらも絶品でした!

――これまで良いお店をたくさんご紹介されてきましたが、逆にご飯が美味しくなかった、店員が怖かった…などの“ハズレ”のお店はあったのでしょうか?

寿:うーん、美味しくなかったと感じたことはないかもしれません。
でも、「これは日本人だからだろうな」という接客はされたことはあります。ショッピングセンターの中にある小さなポップアップストアの店員さんにすごい勢いで声を掛けられて、思わず止まってしまったんです。ハンドケア専門店だったのですが、すごく会話が上手くて「安くするから!」と言われたので購入したのですが、それで買ってくれる人だと思われたんでしょうね。

別の商品をまたオススメされてどう断ろうか悩んでいたら、「何に悩んでいるの?」と言われたんです。「私は今しかこの店舗にいないし、今しかこの値段で買えないんだよ?」とプッシュされて、タジタジになってしまいました(笑)。
「だったら買おうかな」と押しに弱くなってしまう瞬間はありましたね。

――確かに、断りきれないのは日本人ならではなのかもしれませんね。この1年で危険な体験をしたこともなかったですか?

寿:危険を感じたことは、イギリスではないですね。

――イギリス以外では?

寿:昔、スフィアのみんなでロサンゼルスに行った時に、少し怖い思いをしました。アメリカのトイザらスにどうしても行きたくて、実際に行ってみたところ開店時間より早く着いてしまい、私と(豊崎)愛生ちゃんとマネージャーさんと運転してくれた子の4人で車内で時間をつぶしていたんです。そうしたら外から知らない男の人が歩いてきて、窓を何度も叩かれるという恐怖体験をしたことがあります。

――それは怖すぎる…! それに比べると、イギリスはかなり治安が良い国に思えますね。

寿:でも、ちょうど先日スタジオの方と治安の話をしていたのですが、みんな1度はスタジオに空き巣に入られたことがあると言っていました。

ちょうどその帰り道を歩いているとき、デリバル―(※イギリスのフードデリバリー)のジャンパーとリュックを背負った人が自転車に乗ってものすごい勢いで私の前を通り過ぎていって、その片手には、なぜか自転車の車輪を持っていたんです。その後すぐに、また自転車に乗った別の人が同じくらいの早さでまた車輪を持って駆け抜けていって。おそらく2人で盗んだんでしょうね。それを見て「本当にあるんだ!」と思いました。
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■バンクシーのアート、イギリスの桜に感動

――続いては、イギリスの街の様子を映したお写真です。こちらのバンクシーのアートは、実際に観に行かれたのでしょうか?

寿:いえ、私が観に行ったわけではないんです。友達が近くに住んでいて、その写真を送っくれました。たとえ写真でも、観ることができて感動しましたね。

――ロンドンで実際にバンクシーの絵を観たことはありますか?

寿:観に行きたいのですが、やはりロックダウンということもあって、行けていないです。いつかは絶対に観に行きたいですね。

――続いてのお写真ですが、イギリスでもこんなにキレイな桜を見られるんですね。


寿:撮影したのは2月なんですが、日本は3月後半~4月が桜の見頃なので、早く感じますよね。私は去年の3月にイギリスに来たのですが、その時は桜を見られなかったので、ついにイギリスで桜を見られて嬉しかったです。

――イギリスでも「お花見」という文化はあるのでしょうか?

寿:お花見より、ガーデニングを楽しむ方が一般的な気がします。私がこの写真を撮った場所は、桜が連なって生えている珍しい場所なのですが、基本的には1本だけ生えていることの方が多いです。
日本のように桜並木はめったにないので、桜を見て花見をする文化はないように思えます。

■帰国時期延長を発表「ワクワクに向かって悔いの残らないイギリス生活を」

――先ほどの話にもありましたが、去年の3月に渡英して早1年年。第1回インタビューでは「語学とお芝居の勉強がしたかった」と語られていましたが、今、思い描いていた自分になれていますか?

寿:まだまだなれているとは言えませんね……。日本では中学校から英語を授業で学び始めますが、使うための勉強ではなかったんだなと感じました。この1年間勉強してみて、英語を使えるようになるまでの道のりは、こんなに長いんだなと実感しています。自分自身で評価するのは難しいですね。

――ご自身では難しいということで、先生やホストマザーからの評価はどうですか?

寿:私が話せなくて自信がなくなっている時に、ホストマザーが「1年前に来た時は聞き取れてもいなかったでしょ?」と言ってくれて、成長を感じられました。イギリスの方は悪い点をあまり見ず、良い点を褒めて伸ばしていくという発想の方が多い印象で、その言葉は優しくて嬉しかったです。

――語学を学ぶ中で、「楽しい」と思う瞬間はありますか?

寿:英語で話しているYouTubeや映画などを字幕なしで見て、内容がわかるようになってきたことでしょうか。完璧にわかるとまでは言えませんが、理解できるようになってきたと感じられることも多くて、そのときは嬉しいです。英語を学んできて良かったと感じます。

――先日YouTubeで帰国時期の延長を発表されました。半年延ばした中でやりたいこと、目標を教えてください。


寿:自分が納得する時間を過ごすことが目標です。この1年イギリスで過ごしてみて、自分の納得する生き方をするのは、意外に簡単じゃないんだなと痛感しています。
色々な意見がある中で、自分が「これだ!」と思う道を進んで、悔いが残らないよう、秋までの残りの時間を過ごしたいです。

最近、帰国後のこともよく考えるのですが、すごくワクワクしているんです。帰国時期の秋はちょうど30歳という節目の誕生日を迎えることもあり、その先にある未来にもワクワクできる自分に嬉しさを感じています。そのワクワクに向かって今、イギリスで悔いが残らないよう、残りのイギリス生活を精一杯過ごしていきたいです。


寿美菜子 プロフィール
『泣きたい私は猫をかぶる』深瀬頼子役
事務所の同期である、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生とのユニット「スフィア」のメンバー。