JR東海は、東海道新幹線の車両に使用していたアルミを化粧品ブランド「ザ ボディショップ」の店舗内装用建材として提供すると発表した。グループ会社が開発した、新幹線車両のアルミから不純物を取り除き、高純度のアルミ合金のみを抽出するリサイクル手法を活用する。
2020年3月に引退した700系の車体に使用されていたアルミがリサイクルのおもな対象に。アルミに付着した塗装など取り除き、不純物が含まれていないスクラップ材料に加工。このスクラップ材料を溶解・精製し、純度の高いアルミ合金のみ抽出する。
抽出したアルミ合金は、再生アルミ合金ビレッド(元素材)に成形。新幹線車両に使用されているアルミは強度が高く、装飾だけでなく建築材料や精密機械にも使用可能だという。最後に合金ビレッドを用途に合わせて成形する。新幹線再生アルミは、アルミを新製する場合と比べて製造時に必要なエネルギーを抑えられるため、CO2排出量を97%削減できるとのこと。
今回提供する再生アルミは、4月9日開業の「ザ ボディショップ タカシマヤ ゲートタワーモール店」の装飾や商品ケースなどの什器に使用される。今後、他の新規店・リニューアル店舗でも装飾として使用する予定となっている。(佐々木康弘)