WRC世界ラリー選手権を戦うMスポーツ・フォードWRTは4月22~25日、クロアチアで行われる2021年シーズン第3戦『クロアチア・ラリー』で、フォード・フィエスタWRCに最新仕様のエンジンを投入する。
トヨタ、ヒュンダイを相手にWRCの最高峰クラスを戦うMスポーツ・フォード。チームは今季、ガス・グリーンスミスをレギュラードライバーとし、2台目のフィエスタWRCをテーム・スニネンとエイドリアン・フルモーのふたりにシェアさせるかたちで世界選手権に挑んでいる。
開幕2戦はグリーンスミスとスニネンがフィエスタWRCのステアリングを握ったが、クロアチアではレッドブルの支援を受ける若手のフルモーが初めて最高峰クラスでラリーをスタートさせる予定だ。
イギリスを拠点に活動するチームは、昨シーズンの途中で新しいエンジンを導入する予定だった。しかし、新型コロナウイルスの“パンデミック”が2020年シーズンのカレンダーに影響を与えたことに関連し、チームはエンジンのペアイベントが一部変更されたため今年まで保留することにした。
Mスポーツの創始者でマネージング・ディレクターを務めるマルコム・ウィルソンは、エンジンのマジックナンバーを明かすことはしなかったが、最新仕様でのいくつかの変更点について説明している。
「今回の作業は、主に燃料噴射システムとシリンダーヘッドに焦点を合てている」とWRC.comに語ったウィルソン。
「そこにはより多くのパワーがありトップエンドでより力強くなった。しかし、私は数字について話し始めるつもりはない」
「このように言えばいいかな。ドライバーたちはとても満足している、とね」
純メーカーワークスであるトヨタやヒュンダイの車両に対し、高速ラリーでのパフォーマンスに難があるとされるフィエスタWRC。これに搭載される新型エンジンはまだ実戦では見られていないが、ドライバーたちはモンテカルロやアークティックの準備段階のテストで使用しているため、それをよく知っている。
スニネンは新しいエンジンについて「パワーの違いを感じ取ることができる。フィーリングは良好だ」と述べた。
フィンランド人の彼は「テストでこのエンジンを使えてよかったが、実際のラリーにこれを持っていけたら本当によいものになるだろう」と続けている。
また、Mスポーツは今月27日、ホイールメーカーのOZレーシングとのパートナーシップを継続させると発表した。
長年にわたって高品質のパフォーマンスホイールを供給しているイタリアのメーカーと同チームの関係は深く、最初の提携は1997年まで遡る。以来、両者は25年にわたってパートナーシップを継続してきた。
これはラリー界においてもっとも長く、もっとも成功したパートナーシップのひとつであると理解されている。