今年2021年の春ドラマは注目作ぞろい。その中で異彩を放っているのは、NHK総合で放送される『今ここにある危機とぼくの好感度について』と『きれいのくに』です。
2つの作品に共通するテーマは「闇」。
「ねつ造・改ざん」「ワーキングプア」「容姿へのコンプレックス」といった「社会&人の心の闇」を描いているらしく、NHKだからこそできる “攻めたドラマ” になっている模様……!
【今ここにある危機とぼくの好感度について(4月24日夜9時~)】
<不祥事だらけの大学を舞台に現代社会の矛盾を描く>
松坂桃李さん演じる真は、元イケメンアナウンサーというキャリアを買われて名門「帝都大学」の広報として中途採用されます。
しかし大学は問題だらけ! 有名教授の研究不正疑惑、学内シンポジウムへの「テロ」予告など、不祥事が次々と起こります。しかし、大学は優柔不断な総長、隠蔽体質の理事たち、正義感の強い新聞部の学生たちなどクセ者だらけ。
批判を受けないよう、真は無理やりつじつまを合わせて乗り切ろうとしますが、ドツボにハマっていき……。
不正を告発した非正規の研究者・みのり(鈴木杏さん)と出会ったことで「なんか、おかしくね?」と気がつきます。
<テーマも脚本も胸アツ>
同作で描かれるのは、「財政難」「ねつ造・改ざん」「ワーキングプア」「言論の自由の危機」といった、現代人が直面している問題。
また同作は、映画『ジョゼと虎と魚たち』やドラマ『カーネーション』の渡辺あやさんによるオリジナル脚本です。
松坂さん×渡辺さんのタッグに、期待せずにはいられません……!
【きれいのくに(4月12日夜10時45分~)】
<容姿をテーマにしたダークファンタジー>
物語の主人公のひとりは、40代の美容師、恵理(吉田羊)。結婚生活に不満はないものの、セックスレスと容姿の衰えが気になっています。
もうひとりの主人公は、女子高生の凛(見上愛さん)。美容整形が当たり前になり、ほとんどの大人が “同じ顔”の国 で暮らしています。街を歩く大人はみんな同じ男(稲垣吾郎さん)と女(加藤ローサさん)の顔。そんななかで、容姿にコンプレックスがある5人の高校生が恋をしていて……。
そんなある日、恵理と凛は映画館で出会います。
恵理と凜、全く異なる世界で生きる2人がどう交わるのか、そして物語はどんな方向へ進むのか……。
<攻めた「よるドラ」シリーズ最新作>
『きれいのくに』を放送する「よるドラ」枠は、気鋭のクリエイターたちを起用して「攻めたドラマ」に挑戦してきました。これまで取り上げられたテーマは「オタク」「腐女子」「LGBTQ」「ゾンビ」など。
同作は、この4月から月曜放送に生まれ変わる「よるドラ」第1弾作品ということもあり、かなり気合いの入った作品となっていそうです……!
今作の脚本を担当するのは、『俺のスカート、どこ行った?』などを担当してきた劇作家・加藤拓也さん。
地上波ドラマという枠内で、どこまでファンタジーを見せてくれるのか、期待が高まるいっぽうです♪
参照元:NHKドラマ[1][2]、Twitter @nhk_dramas
執筆:田端あんじ (c)Pouch