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ENHYPEN、SEVENTEENからBTSまで……キャンペーンフィルムから見えたレーベルメイト6組のカラー

2021年03月30日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

ENHYPEN『ORDER : DAY ONE (DUSK Ver.)』

 3月18日、Big Hit Labels(3月30日の株主総会承認後、HYBE LABELSに変更予定)所属のアーティストたちが、公式YouTubeチャンネルにて「WHAT DO YOU BELIEVE IN?」のキャンペーンフィルムを公開。ENHYPEN、SEVENTEEN、GFRIEND、NU’EST、TOMORROW X TOGETHER、BTSの6組がそれぞれ「私と私たちが信じること」をテーマに映像を公開した。また公開に先駆けWeverseやSNSにてハッシュタグ「#WhatDoYouBelieveIn」と共に、ファンたちに自分が信じているものを呼びかけ、世界中で盛り上がりを見せている。本稿では、キャンペーンフィルムとともに、各6組のグループのカラーについて紹介していく。


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 一艘のボートにメンバー全員で乗り、力を合わせて大海原を進む映像からスタートしたのは、2020年にデビューしたばかりのENHYPEN。実はそのボートを漕ぐ様子はVRゲームの世界で、ゴーグルを外した現実世界のメンバーたちが仲良くはしゃぐ中、JAYが「I believe in TEAMWORK」と綴る。サバイバルオーディション番組『I-LAND』から誕生した彼らにとって、“チームワーク”はきっとデビュー前から大切にしてきたことだろう。『I-LAND』の頃からすでにパフォーマンス力の高さは先輩であるBTSやSEVENTEENからもお墨付きで、デビュー後あっという間に世界中の注目を集めることに。日本では3月29日から『オールナイトニッポンX』(ニッポン放送)のパーソナリティに起用され、韓国だけでなく日本でもますます人気になること間違いなしだ。


 HOSHIの猫耳姿からスタートし、きっと多くのCARAT(SEVENTEENファンの総称)が盛り上がったに違いない、SEVENTEENのフィルム。ナレーションをVERNONが務め、「完璧じゃなくても大丈夫。お互いの声に集中し、また目標に向かって躍り出る。行きたい所へ跳ねる高い猫のように」とメッセージを伝えた。SEVENTEENが信じているのは、“Setting Goals(目標設定)”。作詞作曲、振り付けまでをもメンバーがセルフプロデュースしている彼ららしいメッセージだ。日本では4月21日にJAPAN 3rdシングル『ひとりじゃない』をリリース予定。常に目標に向かい努力し、“行きたい所へ跳ねる猫のように”高みを目指し続ける13人の快進撃が今後も楽しみだ。


 近未来風のジムで身体を鍛えている映像を公開したのは、GFRIEND。従来の清純派アイドルではなく、清純の中にもパワーを秘めた「パワー清純」という新境地を作り出した彼女たちを、“可愛い”と“強さ”を兼ね備えたこの映像が象徴しているのではと思う。GFRIENDからのメッセージは、「I believe in MYSELF」。デビュー白紙の危機も迎えたことがある彼女たちらしく、何があっても自分自身を信じてこれからも頑張っていくという意志を感じる。


 NU’ESTは全員スーツ姿で登場し、まるで海外ドラマのようなコメディタッチの映像とともに、「I believe in :)」と、笑顔を表す顔文字を披露。MINHYUNのデスクが「:)」の描かれたポストイットで覆い尽くされ、引き出しを開けると「:)」でデコレーションされたケーキが出てくる。人気ドラマ『The Office』のパロディでは? との声も。Wanna Oneのメンバーとして活動していたMINHYUNが復帰し、2019年に“完全体”として約3年ぶりに韓国で活動を開始したNU’ESTは、4月19日には約7年ぶりにフルアルバム『Romanticize』の発売が決定。今、まさに波に乗っている彼らが信じているものが“笑顔”というのは、素敵なメッセージだ。


 今回、とくに注目を集めたのが、TOMORROW X TOGETHERの「I believe in Pineapple Pizza」ではないだろうか。他のグループとあまりにも毛色が違うため、「どういう意味?」とSNSでも多くの反響があった。「IT’S OK TO SAY “NO” TO PINEAPPLE ON PIZZA」という、“イヤなときはイヤと自分の意見を言ってもいい”のようなメッセージが込められているのでは、との声もあるが、真相はわからない。ただ、グループ名に「互いに異なる自分と相手が1つの夢のために集まり、共に明日を築き上げていく」という意味が込められていることや、今回の映像が今までの彼らのイメージを覆すような、ポップで少しギラついた衣装だったことから、“何色にも染まらずに個々を尊重していく”意志のようなものを表現したかったのではないだろうか。一発撮りで人気のYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に出演したこともあり、日本でも着々と人気を獲得している彼らは、「BTSの弟分」という肩書きから脱皮し、「TOMORROW X TOGETHER」という新ジャンルを確立していくだろう。


 そして最後を飾るのは、BTS。コロナ禍により世界ツアーを断念せざるをえない状況の中、直接会うことは叶わずともSNSや各メディアを通じて常にARMY(BTSファンの総称)に愛を届けてくれた彼らが信じているものは、“CONNECTION”。これはおそらく、世界中のARMYが納得だったのではと思う。グラミー賞でパフォーマンスをするほどの世界的な地位を確立した今でも、昔と変わらずARMYのことを1番に想い活動してくれている彼らだからこその答えだ。VやJINが白黒のスクリーンからメンバーのいる現実世界へ入っていく様子は、たとえスクリーン越し(オンライン)だろうと、BTSとARMYが繋がっていることを表現しているのではないだろうか。また、JINとJ-HOPEが指と指を合わせたり、おそらく撮影時にはまだ休養中だったSUGAの名前も出てくることから、メンバー同士の繋がりも大切にしていることも表現していそうだ。ただ、映像の途中でJ-HOPEが言うように、なぜJUNG KOOKが大きくなっていたのかは謎に包まれている。


 今回の「WHAT DO YOU BELIEVE IN?」キャンペーンは、私達に生き方や価値観を見つめ直すきっかけを与えてくれた。BTSの「Love Myself」キャンペーン然り、今やアーティストは音楽やエンターテインメントを届けるだけの存在ではなくなってきている。今後、Big Hit Labels(HYBE LABELS)所属の各グループがどんな活躍を見せてくれるのか、期待して待っていよう。(紺野真利子)