近畿日本鉄道と福山通運は29日、近鉄の名阪特急「アーバンライナー」を使用した貨客混載事業を2021年夏頃をめどに実施することで合意したと発表した。今後、国土交通省に対し、物流総合効率化法にもとづく総合効率化計画の認定申請を行う予定としている。
大阪市内・名古屋市内間の輸送はこれまで、翌日以降に配送するサービスが主流であり、当日中に配送するにはトラックなどチャーターする方法が一般的だったという。今回の事業により、大阪市内・名古屋市内間の当日配送が安価で可能となり、利便性が向上する。おもな顧客ターゲットとして、名阪間での工業製品・部品、商品(日用品・衣料品)を配送する事業所間を想定しているとのこと。
貨客混載事業は鉄道を有効利用する運送サービスのため、新たな投資を要さず、トラック配送と代替することでCO2排出量の削減につながる。道路事情に関係しない安定した輸送ルートの確保やドライバー不足対策など、さまざまな効果が期待できるという。
近鉄と福山通運は、連携を強化することで新たな収益源を確保するとともに、SDGsがめざす持続可能な社会の実現に一層貢献していくと説明している。(木下健児)