2021年03月29日 18:01 弁護士ドットコム
育児休業から復帰したあと倉庫勤務を命じられたのは不当などとして、「アシックス」(本社:兵庫県神戸市)で働く男性(39)が、同社を相手取り、不本意な配置転換の無効や慰謝料約440万円などを求めた訴訟は3月29日、東京地裁(伊藤由紀子裁判長)で和解が成立した。首都圏青年ユニオンが取材に明らかにした。
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和解内容は非公表。原告と組合は、以下のコメントを発表した。
「原告は、被告が、今後も関係法令を踏まえて育児休業を取得しやすい職場環境の整備に努める旨を表明したことを受け、首都圏青年ユニオンには利害関係として参加してもらい、三者で和解を成立させることに至った。原告及び組合は、今後も、男性も女性も、育児休業をを取得しやすい職場作りのために尽力し、日本社会を子育てのしやすい社会にしていくよう尽力する」
アシックスは取材に「今後も関係法令を踏まえて、育児休業を取得しやすい職場環境の整備に努めてまいります」と回答した。
訴状などによると、男性は2015年2月に第一子が誕生した後、約1年育児休業を取得。復職後、「アシックス物流」への出向を命じられ、物流倉庫での勤務となった。
男性は「出向は育児介護休業法違反」などと主張し、代理人弁護士を通じて会社と交渉。出向は解除され2016年7月、人事部に配転となった。
その後、2018年3月に第二子が誕生した後、再び約1年育児休業を取得。復職後、再び人事部で英語版社内規則の更新や、介護に関する情報調査などを命じられた。
原告側は育児休業取得を理由に倉庫に配転されるというパタニティハラスメント(パタハラ)の事案と主張していた。
アシックス側は答弁書で「男性を配属するに適した部署を探す努力を継続してきた」として、男性が主張するようなパタハラやパワハラとは「一切関係がない事案」などと反論していた。