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挑戦したいことはあるけれど、家族のために安定した仕事を探すべき?

2021年03月28日 16:02  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
●今回のモヤモヤ「独立したいけれど家族のために安定した仕事を探すべき?」
連載「ワーママのモヤモヤ整理します」は、託児付きランチサービス「ここるく」の経営者で、育休復帰・働き方改革のコンサルティングも手掛ける山下真実さんが、ワーママが抱えるモヤモヤに寄り添い、気持ちを整理していく企画です。

14回目の相談者は、任期付き地方公務員として働くまゆみさん(43歳)。任期が切れた後、収入の安定を優先して就職先を探した方がいいのか、自分のやりたい仕事をするために独立するか、悩んでいるといいます。
○今回の相談者さんのモヤモヤはこちら

家族のケアに加え、一家の大黒柱の一人としても奮闘されているまゆみさん。厳しい環境下ではありますが、同じ業界の仲間からは「一緒に仕事をしたい」と独立を期待されていて、"業界を盛り上げたい"という使命感も感じているのだとか。

一方、自分1人であれば決断できるチャレンジでも、家族のことを考えると、躊躇してしまうことありますよね。そんなモヤモヤに対して、山下さんの回答は……?

●山下さんからのアドバイスは……?
○山下さんからのアドバイスは……?

『起業せずにはいられない』そんな使命感があるのであれば、あとは覚悟を決めるだけ。しんどい自分の人生を俯瞰して眺めて、面白がれたら、あなたは無敵!

山下さん: 私自身経験しているのでわかるのですが、起業はやる気一本だけで成功できるものではありません。だからこそ、簡単にお勧めできる道ではありません。

しかし、まゆみさんの場合、起業を自分にとっての使命だと感じていらっしゃいますよね。だから、私が止めるフェーズではないのかもしれません。今までの人生や経験を生かす手段として、"独立"という道がすごく腑に落ちてきているということなんだろうなと感じました。

まゆみさん: 確かに、私の中では「この道しかない」と既に決めてしまっている気もします。

山下さん: ですから私は、まゆみさんの夢を応援したいと思います。日本では幸いなことに、たとえ起業に失敗したとしてもその後リカバリー出来る環境があります。無責任な言い方かもしれませんが、なんとかなると思います。大事なのは、これから先訪れるであろう困難に対して、いかに覚悟ができているかです。

そして、今回感じているモヤモヤをどう消化して、次のステージに進んだかを忘れずに、人生の旅の記録に残しておいてほしいと思います。"あのとき私はあのモヤモヤを乗り越えることができた"という記憶や経験が、次の困難を乗り越えるための自分への自信になります。それを繰り返していくことで、次にどんな困難が訪れようとも、怖くなくなってくると思います。

●困難は乗り越えれば人生の"ネタ"になり、あなたの魅力を作る
○困難は乗り越えれば人生の"ネタ"になり、あなたの魅力を作る

山下さん: 独立してフリーランスになった時に、まゆみさんしか経験していないこと、まゆみさんでしか生み出せない着眼点というのは、効いてくると思うんですよね。

仕事をして家族を支え、子育てや介護にも取り組み、なんとか日々を乗り越えてきたまゆみさんの歴史は、強みでしかないし、これからもそんな風にして強みを作っていかれるんだと思います。短い時間でしたが、お話を聞いているだけで、まゆみさんはどんな困難も乗り越えていかれるんだろうなという感じがすごくしたので。

まゆみさん: 確かに、子育てをして、仕事をして、今は介護もやりだして、"ゆりかごから墓場まで何でも来い"という変な自信がついてきた自覚はあります。

山下さん: それがまゆみさんの魅力なんですよね。80歳くらいになったときに、お茶を飲みながら話す面白いネタを、いっぱい作ることができると捉えたらどうでしょうか。人生しんどくても、その状況を俯瞰してみて、面白がれたら、こんな無敵なことはないと思いますから。

○山下真実

株式会社ここるく 代表取締役・社会起業家・2児の母。
米国留学によるMBA取得、米系投資銀行・金融コンサルを経て、ママになったことをきっかけに子育て支援という全くの新領域へ。人気レストランから選べる託児付きランチサービス「ここるく」を2013年にスタート。サービスを通じて集まる働くママのインサイトと、MBA・コンサルで得た専門知識の両面から、ママ向けサービス開発や育休復帰・働き方改革コンサルティングなども手掛ける。『第14回女性起業家大賞』、三菱UFJ銀行主催『Rise Up Festa』最優秀賞受賞。

○比恵島由理子

イラストレーター、2児の母。早稲田大学を卒業後、一般企業に就職するもデザインの道を志し、東京デザイン専門学校で学ぶ。編集制作プロダクションで実用書を中心とした書籍編集・イラスト制作を経験した後に独立。現在はWebメディア向けに活動中。自身の出産体験や子育てについてnoteに掲載している。