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少年忍者・ヴァサイェガ渉が「走れメロス」で囚われた友人に WOWOWオリジナルドラマ『文豪少年!』

2021年03月27日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

WOWOWオリジナルドラマ『文豪少年!』第2話主演は少年忍者・ヴァサイェガ渉

 太宰治の「走れメロス」を原案にしたドラマが、「WOWOWオリジナルドラマ文豪少年! ~ジャニーズJr.で名作を読み解いた~」にて少年忍者 ヴァサイェガ渉主演で3月28日に放送・配信される。


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 『文豪少年!』はジャニーズJr.の人気ユニット「少年忍者」から精鋭12名を主演に迎え、日本文学を代表する文豪たちの小説を新たな切り口で映像化する、一話完結のオムニバスドラマだ。


 舞台は町の片隅にある小さなブックカフェ。この店では訪れる少年たちの抱える悩みやためらいに合わせて、未来を拓くための一冊が用意される。少年たちが、カフェのマスターに手渡された本をめくってみると、彼らだけの物語の世界が始まる――。


 第二話「メロスを待つ男」で原作となるのは、太宰治「走れメロス」。


 芥川龍之介に心酔して創作活動を始めた津島修治は、1933年25歳の時に「列車」を太宰治の筆名で発表してデビュー。4度にわたる自殺未遂や薬物中毒など乱れた生活を送りながらも、1948年愛人・山崎富栄との心中自殺によって亡くなるまでに、「富嶽百景」「斜陽」「人間失格」など優れた作品の数々を残す。


 彼の代表作の一つである1940年発表の短篇「走れメロス」で舞台となるのは、古代ギリシャ。妹の結婚式の準備で村からシラクス市へやってきた主人公・メロスは、賑やかなはずの街がひっそりしていることを不審に思う。通りすがりの人に話を聞くと、人を信じられなくなった国王が家族や部下を殺し、派手な生活をする者には人質を差し出すよう脅しをかけているのだという。


 メロスはこれに怒り、〈呆れた王だ。生かして置けぬ〉と城に乗り込むも、警官に捕らえられ国王の前に引っ立てられる。村で妹に結婚式を挙げさせて3日後に必ずここへ帰ってくる、それまで自分の処刑を待ってほしいと訴えるメロス。国王は当然信用しない。そこで今度はこう提案する。市に住んでいる親友・セリヌンティウスを人質に置いていく、戻ってこなかったら彼を殺して構わない、と。


 ドラマではメロスの身代わりとして牢に入れられた男・セリヌンティウスが主人公。見張り役の牢番(金児憲史)とメロスについて話すうちに、二人の間に奇妙な友情が芽生えていく。これまで光が当たらなかった視点から「走れメロス」を解釈する異色作だ。


 今回の主演は、ヴァサイェガ渉。アクロバットを得意とし、「東京ガールズコレクション」で共にランウェイを歩いたSnow Manのラウールからは、ジャニーズで唯一の友だちと紹介されたりもしている。そんな彼が挑戦する抑えた演技にも注目だ。


(文=藤井勉)