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運送業界のブラックすぎる実態「"休憩"としながらも配達・伝票調べ」「深夜1時から夕方4時まで稼働しても日当1万円」

2021年03月27日 08:10  キャリコネニュース

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新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オンラインストアを利用している人も増えている。しかし、Azoopの調査によると、運送業者が事業を運営する上で最も多いのが「労働環境に関すること」(31%)で、次いで「ドライバー不足に関すること」(21%)となっている。

キャリコネニュースにも運送業で働いた経験のある人たちから"ブラックな経験談"が多数寄せられている。運送業ならではのつらい経験をしている人からのエピソードを紹介する。(文:林加奈)

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「休憩はアプリで管理されるも、1時間も休憩をとっていたら終わらない」

現役ドライバーである40代男性の職場では、運転時間報告についての不正行為が日常的に行われている。

「会社の申請上、AM4時からしか作業できないのですが、前日AM0時、1時に出発するときでも4時にセット。その後、待機時間等にストップさせて時間を調整」

また、日曜日以外一切休みはなく、「年末年始、夏季休暇で消化しているから」という理由で有休も取得できていない。

某有名運送会社に勤める30代男性は「少なくとも私の営業所では、休憩はあってないようなもの」と明かしている。というのも、休憩を1時間取っていたら仕事が終わらないからだ。

「休憩はアプリで管理されているので、休憩入力中は端末操作も運転もできない。でも入力はしなければならないので、みんな配達中や伝票調べをしている間を"休憩"としている。夕方の配送に間に合うように動いているので、配達・集荷が多ければ休憩時間を削るしかない。上司に言っても現場任せなので何も変わらない」

と、あきらめた様子で語っている。

どちらのエピソードも本来勤務時間を制限したり、休憩時間を確保したりするためのシステムがあるにもかかわらず、全く機能していないことがわかる。上司や上層部はこうした現実を把握しているのだろうか。

「30キロあるドライアイスを全て手積み。出発前からすでにヘトヘト」

技術職の40代男性は過去にドライアイスの配送・加工の仕事をしていた。当時の経験をこう語る。

「夏は繁忙期で休憩時間はほとんどありません。配送作業は夜中1時頃に出勤、2トントラックに5~3キロある発泡スチロールを150~250個を全て手積みです。入れ忘れがないかの確認もするので、出発するときにはすでにヘトヘトです」

その後、15~25か所ほどある配送先を下道を使ってすべて回る。会社に戻るのが16時過ぎになることも。それで日当はわずか1万円だった。

「安すぎでした。交渉して1万2000円にしてもらいましたが、それでも安すぎます」

退職後、男性が担当していたその仕事はリストラする人向けの仕事だったらしく、辞めさせる人にこの配達作業を任せていたことがわかった。男性は「とても酷い劣悪な作業環境でびっくりしました」と語っている。

※キャリコネニュースでは引き続き「ブラック企業経験談」のほか「会社や人事にバレたらヤバいこと」や「夫・妻に対する不満」などのアンケートを募集しています。