これまで派遣社員は正社員に比べ、給与が低かったり、派遣切りにあったりと立場が弱かった。しかし派遣法の改正により、同一労働同一賃金が導入されるなど、派遣社員を取り巻く環境は大きく変わりつつある。とはいえ、派遣社員の労働環境整備は、まだ改善の余地が大いにある。
埼玉県の40代女性(派遣社員/年収450万円)は、営業事務として正社員を支える立場にいる。「コロナ禍での就職だったため、新しい業務を覚えるにも今までとやり方が違います。上司も半年前に部署に着任したばかりで進め方がわからない状況でした」と嘆く。今回は、派遣社員のリアルな声を紹介する。(文:中島雄太)
「なんの事前説明もなく、減給になってしまった」
女性は先日、契約更新を迎えたが「給与据え置きでお願いします」と通告された。「それでも、このような状況の中、働けるだけありがたい」と考え、契約に同意した。しかし、状況は悪化する。「今後の業務のために資格を取得してほしい」と派遣先から要望があり、その勉強を始めていた矢先に、職位の変更と減給を通達されたのだ。女性は事前に何も聞いていなかったため、上司に相談した。
「上司、上長ともに『能力の問題ではなく、体制が変わることが理由』と説明してきました。また『上司からの指示でしか仕事をしていない』と言われ、『もっと主体性をもって仕事をしてほしい』とも言われました」
しかし、女性は「これまでも『このやり方はいかかでしょうか』など業務の提案をしてきました」と語る。上司が忙しかったためにコミュニケーションをうまく取れず、明確な指示を受けられなかったのだ。女性は、
「自分の独断で業務を進めることはできないため、そのまま放置する日々でした」
と弁明。「私は用無しになったかのような扱い。今後もこの場所で仕事を続けていくことに、不安ばかり残っております」と胸中を吐露した。
「努力に見合う待遇が受けられないこと、正社員との待遇の差に納得できません」
大阪府の40代女性(事務職/年収250万円)は「派遣先の社内ルールを熱心に勉強しても、給料に反映されるわけでもないので、高いモチベーションを維持するのが大変」とコメントを寄せた。女性は、
「正社員は無資格でボーナスが支給されます。私は有資格なのに、ボーナスが支給されません」
と不満を口にする。女性は「努力に見合う待遇が受けられないこと、正社員との待遇の差に納得できません」と続けた。
千葉県の40代女性(事務職/年収250万円)は「新型コロナウイルスの影響で、正社員はテレワークが導入されましたが、派遣社員は出社をしなければなりません」と不満をこぼす。さらに、
「新型コロナウイルス感染の疑いがあったため、契約を切られてしまいました」
と衝撃の事実を明かす。また、契約期間中の出来事について「同じ業務をしているのに参加させてもらえない会議がいくつもありました。そこで決まったことを教えてもらってないのに、知らなかったことを責められました」と振り返る。次の派遣先は、働きやすい職場であることを願ってやまない。
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