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「LGBT平等法」制定もとめる署名「10万筆」、自民党に提出…五輪前の成立を訴え

2021年03月26日 10:01  弁護士ドットコム

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性的マイノリティの人たちに対する差別を禁止する「LGBT平等法」の制定を求める署名約10万筆が3月25日、自民党に提出された。


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この署名は、全国約80のLGBT関連団体で構成する「LGBT法連合会」や国際人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」、スポーツとLGBTに関する活動をしている「アスリート・アライ」の3団体が2020年10月から2021年2月にかけて、国内外で呼びかけていたもの。



今夏、東京五輪・パラリンピックの開催が予定されているが、オリンピック憲章では、性的指向を含む「いかなる種類の差別」も禁じている。しかし、日本では、性的マイノリティの人たちに対する差別を条例で禁止する自治体は一部あるものの、国による法制化はされていない。



署名を呼びかけた団体は、東京五輪・パラリンピック前の法制化が急務としており、公明党や立憲民主党、日本維新の会などにはすでに提出。そのほかの政党にも今後、順次提出して議員立法を求めていくという。



●全国調査では8割を超える人が「賛成」

10万6250筆の署名が集まり、このうち国内からは4万1333筆だった。自民党への提出後、署名を呼びかけた団体は東京・霞が関の文科省で会見した。



LGBT法連合会の理事、五十嵐ゆりさんは、署名活動をおこなった背景として、LGBTの当事者たちが置かれた厳しい現状をあらためて指摘し、法制化を訴えた。



「調査によると、職場ではLGBTを理由に解雇されたり、差別的な取り扱いを見聞きしたことがある人は約4割になります。自殺未遂経験も、異性愛者に比べて当事者はその6倍です。しかし、困難が見えづらく、家族にも打ち明けられません。



しかし、LGBT平等法によって、いじめや雇用差別の防止、当事者の方々の人権を保障することができます。そのルールの制定をお願いしているところです。



オリンピック憲章では、性別や性的指向による差別の禁止が明記されています。しかし、日本では自治体レベルだと、東京都、茨城県、三重県でそうした条例の成立が叶ったものの、ほかの自治体にはありません。あらためて、国による法整備が必要で、開催国の責任があると思います」



2020年11月には、広島修道大学の河口和也教授らがおこなった性的マイノリティについての意識調査の結果が明らかとなり、「いじめや差別を禁止する法律や条例の制定」に賛成する人は87.7%にのぼっている。