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『あぶさん』『がんばれ!タブチくん』『ストッパー毒島』……プロ野球開幕前に読みたい懐かしの漫画

2021年03月25日 18:21  リアルサウンド

リアルサウンド

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 明日3月26日に開幕するプロ野球。開幕が待ちきれないという熱狂的野球ファンのために、「プロ野球を扱った漫画」を紹介したい。開幕前に読みたいプロ野球を扱った漫画を読んで、気持ちを盛り上げるのも悪くはないだろう。


あぶさん

 野球漫画の第一人者、水島新司が描くプロ野球漫画『あぶさん』。南海ホークスに入団した酒飲みの景浦安武が、物干し竿のような長いバットでプロの世界を生き抜くストーリーだ。


 『あぶさん』に出てくるプロ野球選手は、一部架空選手を除いて基本的に実在実名である。南海の監督を務めていた野村克也氏や長嶋茂雄氏、王貞治氏、そして現在プロ野球球団で監督を務める工藤公康氏や井口資仁氏なども描かれている。


 長らく日の目を見なかったパシフィックリーグを取り上げ、多くの実名選手と現実のエピソードが入った内容は、資料的価値も高い。


がんばれ!タブチくん

 いしいひさいち原作の『ガンバレ!タブチくん』。元阪神タイガース、西武ライオンズに在籍した田淵幸一氏をモデルにした「タブチくん」を主人公にした4コマギャグ漫画だ。


 内容はかなり選手を「おちょくった」もので、タブチくんは巨体で鈍足、バッティングも当たれば大きいが当たらないなど、実際の田淵氏のプレースタイルとは大きく異なる。しかしそんなありえない作風と笑える内容が人気となった。


 1979年にはアニメ映画が3作制作され、タブチくんの声は西田敏行が担当。さらに肝付兼太、内海賢二ら豪華声優陣が総出演した。キャストの演技力とギャグ要素の強い作品のインパクトは強く、未だにファンも多い。


かっとばせキヨハラくん

 河合じゅんじ原作で、1987年から1994年まで「コロコロコミック」に連載された『かっとばせキヨハラくん』。主人公のモデルは当時西武ライオンズに所属した清原和博氏だった。内容はプロ野球をネタにしたギャグ漫画である。


 主人公のキヨハラくんに加え、「クワタくん」も高い人気を持ち、たびたび登場する。モデルの桑田真澄氏は今年から巨人の投手コーチ補佐を務める。彼が漫画でどう描かれていたのか、確認するものも良いだろう。


パロ野球ニュース

 やくみつるが「はた山ハッチ」名義で描いたプロ野球4コマ漫画『パロ野球ニュース』。出演する選手は全て実名で、かなり毒の効いた大人向けの作品だ。


 その風刺の効いた内容については賛否両論あったが、15巻まで単行本が出版されており、人気は高かった。また、その画力も高く、登場する野球選手の絵は特徴を捉え、非常に酷似していた。若き日のやくみつるの漫画と毒舌を楽しむことで、違った知識を得ることが出来るかもしれない。


ストッパー毒島

 ハロルド作石原作の『ストッパー毒島』。パシフィックリーグに所属する架空球団「京浜アスレチックスに入団した毒島大広の活躍を描く作品である。


 この作品ではイチローや中村紀洋など90年代のパリーグを代表する選手が多数登場し、独特なエピソードが展開される。ヘビーメタル好きの元千葉ロッテマリーンズの初芝清選手が打席に入ると、同じヘビメタ好きのアスレチックス捕手渋谷がバンドについてなじるようなことを囁き、口論に発展する描写などが有名だ。今や人気実力ともに高いものがあるパ・リーグだが、90年代は球場に空席が目立つこともあった。そんな不遇の時代や、個性的な選手を楽しむことができるはずだ。


過去の野球漫画でプロ野球を楽しもう

 今も昔も人気の野球漫画だが、現在は権利の関係もあり、実名選手が登場するケースは極めて少ない。過去の作品で、当時のプロ野球を感じつつ、これから始まるプロ野球に想いを馳せてみてはいかがだろう。