長時間労働やサービス残業など、離職者が後を絶たないブラック企業。過酷な業務と労働環境で1年も経たずに辞める人も少なくはない。それにもかかわらず、ブラック企業で16年間働いたという人もいる。
「その間、ボーナス、有給なし。公休さえも取りづらい。連休が取れない。残業代を払えないから定時でタイムカードを押すように言われる」(40代女性/販売・サービス職)
ブラック企業に勤めていると、長時間労働で転職活動をする時間もなく、低賃金のため退職すると生活が立ち行かなくなる場合もある。今回は、ブラック企業で10年以上耐えた人たちの声を紹介する。(文:林加奈)
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「社員の努力による利益を経営陣が私物化」「飲み会で一気飲みの強要」
40代男性が10年勤務した会社では「社員の努力による利益を経営陣が私物化」していたという。それだけではなく、
「10年間、一切昇給なし。飲み会で一気飲みの強要。歓送迎会を開催するも経営陣の説教が始まり、何の会かわからずメチャクチャ。他多数、書ききれません」
とも綴る。会社の利益を私物化し、歓送迎会では説教を開始するなど、経営陣に大きな問題があるだろう。
「トレーニングジムで12年間有給なし。会員の前でキックやビンタ」
トレーニングジムで12年間働いていた30代男性は、施設がオープンする前にアルバイトとして入社した。ところが、
「トレーニングの研修は1度だけ。トレーニングで使う5キロのプレートを放ってきたり、会員さんがいる前で尻キックやビンタされたり」
会員がいる前でのパワハラだ。精神的な苦痛はかなりのものだろう。男性はジムのプログラムでレッスンを受け持っていたが、冠婚葬祭でどうしても休みが欲しいと伝えると、「代行が見つかってないのに、休めると思ってんの?」と、結局休ませてもらえなかった。
男性はアルバイトから契約社員になる予定だった。しかし、アルバイト扱いが続き、今の自分が契約社員になっているかを確認するために、雇用契約書を見せてほしいと再三にわたって頼んでいた。それでも見せることはなく、会社の対応に不信感を持つようになり退職を決意した。
「12年間有休を使わせてもらえず。辞める話をしたとき『これまで使ってこなかった有休を買い取ってほしい』とお願いしたのに、最後の給料には買い取ってもらった分が入っていなかった」
最後の最後までブラック企業に振り回されてしまった男性。長く勤めても報われないのが、ブラック企業あるあるの一つなのかもしれない。
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