給与の高い仕事には、それなりの理由がある。都合良く「ラクで高年収な仕事」は存在しないのが実情だ。年収1000万円を超えるキャリコネニュース読者からは、日ごろの激務がうかがえる声が寄せられている。某メーカー正社員の大阪府の40代男性もその一人。
「固定給で年収1100万円オーバー。毎日6時30分に出社し、退社は19時頃。平日は、帰宅したらご飯を食べて寝るだけです。日曜日は休みですが、土曜日は月2~3回の頻度で出勤あり。残業は月70~90時間にもなります」
男性は働き詰めの生活を嘆く。いくら稼いでもプライベートの時間を取れなくては、何のために働いているのか分からなくなってしまいそうだ。(文:大渕ともみ)
「休日や休診日でも病院にいることが多く、あまり家に帰ることができません」
福井県の30代男性は、動物病院を経営する獣医師。法人化しており、男性は年間2000万円の役員報酬を得ている。その気になれば、もっと高い役員報酬を設定できるようだが「税率を考えて、あえて2000万円に留めています。また、妻を役員登記し、役員報酬として年間600万円を支給しています」と打ち明ける。
夫婦2人で世帯年収2600万円に及ぶ計算だが、獣医師の一日は信じ難いほどに多忙だ。
「内科・外科・救急医療など、すべての科目を対応しなければなりません。また、夜間救急や入院対応があるため、休日や時間外でも関係なく診療しています」
飼い主にとって、ペットの病気やケガは一大事。生き物の命を扱う仕事である以上、獣医師は泣き言を言ってなどいられない。男性は「休日や休診日でも病院にいることが多く、あまり家に帰ることができません」と仕事漬けの毎日になっていることを告白した。
「お金はたまりますが、使う時間がありません」
しかも、男性には3人の子どもがいる。このため、目下の課題は「いかにして家族の時間を取るか」だ。日頃から時間を見つけては家族と過ごすよう心がけてはいるものの、
「仕事柄、宿泊を伴う旅行は難しいです。旅行は海外・国内を問わず、私の両親・妻・子どもだけで行くことが多いです」
と打ち明ける。家族が旅行を楽しむ中、男性だけが蚊帳の外になっていることを想像すると、少々気の毒に思えてしまう。男性は「大きな出費は、住宅ローンと子どもの学費くらい。お金はたまりますが、使う時間がありません。自分の洋服でさえ、5年くらいは買った記憶がないですね」と綴った。
幸福の基準は人それぞれ。ただ、程々に働いて相応の収入を得るのが、実は一番幸せなのかもしれない。
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