「立つ鳥跡を濁さず」という言葉がある。たくさんの人が仕事に関わる会社組織では、退職の際にも周りへの配慮を怠らないようにしたいものだ。しかし、どこの職場にも突然仕事を"バックレる"人は存在する。
茨城県の40代男性(設備・交通・運輸/正社員/年収300万円)は、初めての転職先でなんとも豪快なバックレ劇を目撃したようだ。「転職したのは某システム会社。私は事務職で入社したのですが、バックレたのは営業部の先輩でした」と振り返る。(文:大渕ともみ)
"もしかして事故にでも巻き込まれたのか"と心配していました
周りへの迷惑を顧みずバックレるからには、さぞかし問題のある社員だったのだろうと思ってしまう。だが、男性は「とても真面目な先輩でした。同じフロアで働いていましたが、普段からきちんと出社し、営業に出ていたので、まさかいきなり辞めるとは誰も思いもしませんでした」と明かす。バックレ当日の出来事については、
「ある日、その先輩が始業時間になっても出社しませんでした。でも当時は、携帯電話も普及しておらず、役員クラスだけが持つような時代です。すぐに連絡がつかず、自宅に電話しても不在だったため、『もしかして事故にでも巻き込まれたのか』とみんな心配していました」
と説明。確かに、普段は真面目に働いていた人が、無断欠勤をするとは想像もしないだろう。連絡の取れない状況に、職場は騒然となったようだ。
しかし、事態は一変する。どう対応すべきか周囲が困惑する中、ある従業員が「なんだ、あいつは。どうしようもないヤツだな~」と言いながら、その所在の知れない先輩の机の引き出しを開けたのだ。
「結局そのままバックレて、先輩に会うことはありませんでした」
何気なく机の引き出しを開けた従業員は、中身を見るなり「うおっ!」と大きな声を上げたという。なんとそこには荷物が何も入っておらず、きれいに空っぽになっていたのだ。
不審に思った職場の人たちは、ほかの引き出しも確認。すると「退職届」と書かれた封筒だけがポツンと残されていた。男性は、
「おそらく先輩は、前日の夜までに少しずつ荷物を持って帰り、人知れず退職に備えていたのですね。結局そのままバックレて、先輩に会うことはありませんでした」
と結末を明かす。バックレの原因は不明だが、「その事件の1か月くらい前に、先輩と話す機会がありました。そのとき先輩は『料理人の仕事に憧れていてね~』と言っていたんですよね。だから料理人になったのかもしれませんね」と綴った。
いずれにせよ、まだ社会人経験の浅かった当時の男性にとっては、かなり衝撃的なエピソードだったようだ。バックレた先輩が、料理人として大成していればいいのだが。
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