世の中には、驚くべき早さで仕事を辞める人たちがいる。一見すると「本人に問題がある」と思われがちだが、そうとは限らない。とんでもないブラック企業から逃げるために、やむを得ず退職を選ぶケースもある。
石川県の30代後半女性(サービス系/パート/年収150万円)は、前職の飲食店を2か月半で辞めた。女性は、
「前職を辞めてから、原因不明の咳がスッキリ治りました。店は私が辞めたあと、1年で潰れてしまったようです。ざまーみろ!って感じです」
と心境を語る。以前、女性が勤めていた飲食店は、信じられないほどブラックな職場だったのだ。(文:大渕ともみ)
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「客席に出ている時間が長いとか、トイレに行くなとか……めちゃくちゃです」
女性は「店舗の至るところに、監視カメラが設置されていました」と証言する。飲食店において、監視カメラの設置は特別珍しいことではないだろう。しかし、この店の監視カメラは、防犯目的で設置されたものではなかった。
「すべての監視カメラは従業員に向けられていました。それを使い、朝から晩まで社長が社員を監視しているのです。そして、社長は事あるごとに、お気に入りのお局様へ電話で連絡。お局様経由で厳しく注意されるのがお決まりでした」
また、注意の内容は"言いがかり" といっても過言ではないもので、「鼻をかんだ、従業員同士でおしゃべりしていた、なぜ笑顔なのか、など。ほかにも、客席に出ている時間が長いとか、トイレに行くなとか……めちゃくちゃです」と女性。ちなみに「社長お気に入りのお局様は、監視カメラに映らない場所を把握していました」というのだから抜け目ない。
「正社員登用の話も出ていましたが、バカらしくなって辞めました」
女性は「生理現象ですら注意され、わからないことを聞けば"おしゃべり"とされ、客席に出て働けば文句を言われ……」と振り返る。相当ストレスをため込んでいたのだろう。働き始めて2か月目、原因不明の咳に悩まされるようになってしまった。
女性が退職を決意したのは、子どもがインフルエンザにかかった時のことだ。「インフルエンザの検査を受け、陰性なら出勤してよい」という職場の指示に従い、女性が検査を受けたところ、結果は陰性だった。しかし、いざ出勤しようとすると「再度検査しろ」「やっぱり来るな」と対応が二転三転。女性は、
「この悶着だけで3日……。正社員登用の話も出ていましたが、バカらしくなって辞めました。今はパートと副業をしながら、平和にやっていますよ。ホワイト企業です」
と明かす。理不尽な対応ばかりするブラック企業は、さっさと辞めるのが得策かもしれない。
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