2021年3月5日にTBS系で放送された『俺の家の話』第7話。
笑いと涙のバランスが見事な本作ですが、今回は笑いを交えつつ「介護の現実」について考えさせられる場面も……
また学習障がいを持つ秀生(羽村仁成さん)の父への想いと能への想いに、わんわん泣かされた回でもありました。
【第7話あらすじ】
てんやわんやの家族旅行を経て、険悪ムードが一蹴された観山家。家族の仲がより縮まったいっぽう……
じゅじゅ(西田敏行さん)の認知症が進行していることが発覚します。
きっかけとなったのは「物盗られ妄想」。
自分が元カノにあげた能のおもて(面)を「盗まれた」と思い込んで、「泥棒に入られた、警察を呼べ」と主張したほか、寿限無(桐谷健太さん)を犯人だと疑う場面も……!
結局、妄言ではなく本当に泥棒に入られていた(!)のですが、元カノへプレゼントしたおもてのことを忘れていたのは事実です。
いつかは「すべて忘れてしまう」かもしれない父を見て、寿一(長瀬智也さん)は「孫・秀生との思い出をもっと作ってあげたい」と行動を起こします。
【厳しい介護の現実を突きつけられる】
じゅじゅの「物盗られ妄想」は「認知症あるある」。身内を疑うのも「あるある」で、残酷な事実に胸が痛くなります。
また、寿一を尊敬するプリティ原(井之脇 海さん)が何気なく口にした祖母のエピソードも印象的でした。
介護中でも比較的明るい観山家を見て、「なんか明るくていいっすね。うちは悲惨なんで」と言いつつ
・詐欺に遭いカードを取り上げられる→自尊心が傷ついてさらに症状が進行
・親族にたらいまわしにされたあげく施設に
という現状を明らかにして、介護の現実について考えさせられました。
寿一の「そっかぁ、ウチ…明るいんだなぁ…」というセリフも刺さる……!
また荒川良々さん演じるケアマネのセリフ、
「泣きながらやっても笑いながらやっても、介護は介護ですから」
「認知症患者の行動には、親族にしかわからない伏線があるんです。見逃してない? 伏線回収して!」
も、強く心に残るものです。
【秀生のシーンに全視聴者が泣いた】
ネットで話題になっていたのは、寿一の息子・秀生が書いた作文。
プロレスラー、能楽師と、ずっと父の背中を追いかけていたことを明らかにし、
「僕はお父さんみたいになりたい。なんだかんだ言って、僕のお父さんはかっこいい」
と気持ちを綴っており、寿一はもちろん視聴者も大号泣! ツイッターでは、
「秀生の作文に涙腺崩壊した」
「秀生の作文は親なら皆んな大号泣するやつ~」
といった具合に「泣いた」という声が多数寄せられました。
また秀生は、義父にも同じように愛のこもった作文を書いており、
「秀生……2人のお父さん両方に作文書いたんだね……ディスレクシア(識字障害)だから、あれだけの文字数を書くのには他の子の何倍も時間がかかったはず」
といった意見も。そうした背景を思うと、ますます涙をこらえきれません……!
【秀生から「能」を取り上げてはいけない】
秀生は能への思い入れが強く、「能死体=能したい」と記述しており、他の漢字を間違えても能だけは間違えない場面もあり、イチ視聴者ながら
「この子から能を取り上げてはダメだ」
と強く感じました。
じゅじゅと寿一と秀生、親子3世代をガッツリ結び付けている「能」という存在。
次回予告では、じゅじゅが「私の跡は秀生に継がせる」と話す場面(!)もあり、展開が気になるところです。
参照元:TBSテレビ、Twitter @oreie2021、Twitter検索 #俺の家の話 秀生 作文
執筆:田端あんじ (c)Pouch