「新型コロナウイルスを99.99%不活性化」「瞬間除菌」――。消費者庁は3月11日、次亜塩素酸水スプレーを販売していた販売事業者3社に対し、景品表示法に基づいて再発防止などを命じる措置命令を行った。
命令を受けたのは、いずれも除菌スプレーを販売していた大分県「OTOGINO」、兵庫県「マトファー・ジャパン」、福井県「遊笑」の3社。同庁によると、昨年7~9月にわたり事実と異なる表示を用いて宣伝していたという。
濃度表示「50ppm」でも実際はたったの「4ppm」
対象になったのは、ウェブサイト上で宣伝に使用された
「99.9%瞬間除菌!ウイルスも瞬時に撃退!」
「強力99.9%瞬間除菌 臭いも元から分解します」
などの表示。同庁が表示の根拠を求めたところ、1社は資料を提出せず、他の2社からも合理的な根拠が示されなかったとしている。また、本体容器のラベルについても「成分:次亜塩素酸水50ppm」などと成分表示があったものの、実際には低いもので4ppmと濃度を詐称した表示もあった。
同庁の担当者は「措置命令とは行政処分の一つで、景品表示法に基づくものです」と説明する。発覚のパターンは、競合事業者や消費者から情報提供がある場合と、庁内で行う情報収集の大きく2種類に分かれるが、具体的な経緯に関しては情報収集がしにくくなるなどの問題があることから明らかにしていない。
「今回は、3社が一般消費者に向けて『宣伝内容とは異なり、効果がなかった』と周知徹底に努めること。社内のコンプライアンス体制を整えること。類似商品の宣伝内容についても改めること――などを命令しています」
と話した。これらの命令に従った場合はお咎めなしだが、拒否した場合は「2年以下の懲役または300万円以下の罰金」、法人の場合は「3億円以下の罰金」が科される可能性がある。