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「これって何かの腹いせ?」駐輪場の自転車がワイヤーで固定されていた…対処法は

2021年03月11日 11:11  弁護士ドットコム

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自転車へのいたずら・嫌がらせで困っていますーー。弁護士ドットコムに、このような相談が寄せられています。


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相談者によると、マンションの駐輪場に駐めている自転車が、何者かに太いワイヤーで鉄柱に固定されてしまったそうです。



「おそらく、いつも私の自転車の横にとめている人が何かの腹いせに行ったのではないか」とも綴っていますが、誰がやったのかは分からないままのようです。



「3日間もワイヤー錠で繋がれたままで、マンションの管理会社も動いてくれません。私がこのワイヤーを勝手に切っても問題ないですか」と相談者は聞いています。坂口靖弁護士に聞きました。



●形式的には「器物損壊罪」が成立するけれど…

ーー相談者が勝手に鎖やワイヤーを切っても、罪に問われることはないのでしょうか。



「ワイヤーを切れば、他人の物を損壊したこととなってしまいますので、形式的には器物損壊罪が成立します。



ただし、後述するように、ワイヤーで自転車を固定されてしまう行為自体、器物損壊罪が成立しうるものと考えられます。そのため、そのワイヤーを切断する行為については、正当防衛が成立し、違法性がなく器物損壊罪に問われることはないと考えることも可能であるようにも思われます。



しかし、ワイヤーの持ち主が告訴したりして、刑事事件に巻き込まれてしまう等の面倒事に巻き込まれる可能性があります。



したがって、とりあえずは警察に相談し、警察での対処を依頼するなどした上で、最終的にどうしようもない時に限ってワイヤーを自身で切断するというように、あくまで『最終手段』としての選択肢と考えておいてもらった方が安全かとは思います。



なお、完全に私見になりますが、仮に、ワイヤーの持ち主が告訴するなど騒いだとしても、検察官がこのワイヤーを切断した行為を起訴するということは考えにくいのではないかとは思います(違法駐輪や迷惑駐輪等である場合は、『自招危難』等と評価されることも考えられ、処罰されてしまうことは有り得るように思われます)」



ーーそもそも、他人の自転車を太いワイヤーで鉄柱に固定する行為も器物損壊罪が成立する可能性があるのですね。自転車を壊したわけではなくても、損壊したといえるのでしょうか。



「はい、器物損壊罪が成立する可能性があります。



器物損壊の『損壊』とは、その物の効用を害する一切の行為を指すと考えられています。したがって、ワイヤーロック等で自転車を固定してしまうという行為は、自転車を使用できなくさせることから、物の効用を害していると評価しうるものと考えられます」




【取材協力弁護士】
坂口 靖(さかぐち・やすし)弁護士
大学を卒業後、東京FM「やまだひさしのラジアンリミテッド」等のラジオ番組制作業務に従事。その後、28歳の時に突如弁護士を志し、全くの初学者から3年の期間を経て旧司法試験に合格。弁護士となった後、1年目から年間100件を超える刑事事件の弁護を担当。以後弁護士としての数多くの刑事事件に携わり、現在に至る。
事務所名:佐野総合法律事務所
事務所URL:http://www.sanosogo.com/