上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、中古車販売を中心に展開するネクステージ（東証一部。本社・名古屋）を取り上げます。
ネクステージ社員の平均年収は528万円
最新データ（2020年11月期）によると、ネクステージ社員の平均年間給与は528.9万円。4期前より22万円あまり減っていますが、前期より11万円ほど増えています。
- 2016年11月期：476万4890円
- 2017年11月期：551万0417円
- 2018年11月期：539.1万円
- 2019年11月期：517.6万円
- 2020年11月期：528.9万円
この額には基準外賃金（手当等）および賞与が含まれています。
ネクステージの新卒採用サイトによると、営業職（全国勤務型）の初任給は「月給230,000円＋販売手当＋達成手当」（42時間分の固定残業代54,000円含む）。営業職の新卒入社2年目の年収例として、596万円という金額が示されています。
ネクステージの業績は急激に伸びており、2019年11月期までの7期間で売上高は7.6倍に成長。企業サイトによると中古車業界内のシェアは3位ですが、1年間の出店数は20店舗以上というスピードで、成長率は1位とのことです。
コロナ下の2020年11月期は、売上高が前期比10.0％増の2411億円、営業利益が同12.2％増の68億円、店舗数は前期比11店舗増の144店舗。2021年11月期の通期予想も、売上高前期比16.1％増、営業利益同61.2％増と大幅増収増益の見込みです。
なお、企業口コミサイト「キャリコネ」の投稿によると、会社には常に出店計画があるので、投稿者の20代前半男性（年収300万円）は「2か月に1度引っ越しを伴う異動」を命じられ、耐えられなくなり退職したとのことです。
ネクステージ社員の平均年齢は29歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数（ともに単体）を見てみましょう。
ネクステージ社員の平均年齢は29.3歳。ざっくり言うと30歳で500万円を超えている人が多いということでしょうか。
- 2016年11月期：861人（29.9歳・2.1年）
- 2017年11月期：1,229人（28.6歳・2.0年）
- 2018年11月期：1,808人（29.6歳・2.3年）
- 2019年11月期：2,559人（29.2歳・2.5年）
- 2020年11月期：2,834人（29.3歳・2.8年）
営業職のインセンティブが大きく職種によって差がありそうですが、ダイヤモンド・オンラインが発表した「年収が高い企業ランキング2020最新版」の「従業員の平均年齢20代」の部門でTOP10入り（9位）を果たすなど給与水準は高いといえます。
ネクステージ（単体）の従業員数はここ4期で3.3倍、2,000人近く増加。グループ全体（連結）でも、2016年11月期の888人から2020年11月期の3,009人へと大きな伸びを見せています。
ネクステージは「自動車販売及びこれらの付帯業務」の単一セグメント。中核事業は中古車販売事業で、拠点数76拠点（122店舗）を設けていますが、新車販売事業も21拠点（22店舗）で展開しています。
「体育会系採用」を実施中
ネクステージは名古屋に本社を構え、東海地方を中心に販売網を拡大。2014年にはアマゾンで初の中古車販売事業となって注目されました。
中古車販売事業を展開する上場企業には、「ガリバー」を全国展開するIDOM（売上高2580億円。2020年3月期）と、「ケーユー」を首都圏中心に展開するケーユーホールディングス（同約1,000億円）がありますが、ネクステージは中古車業界として前人未踏の「売上高1兆円、営業利益700億円」の目標を掲げています。
採用サイトには「社長と飲みに行く回数 平均4回/年」「忘年会で倒れた人数 6人」など、いわゆる体育会系のノリをうかがわせるデータが掲載されています。
実際、「ネクステージ体育会系採用」という特設サイトがあり、「部活の次は、営業で日本一をめざす。」というコピーと、「まっすぐで、練習がイヤと言いながら歯をくいしばる、キミがいい。」「成約という名のゴールを量産してほしい。」といったメッセージが掲げられています。
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