新型コロナウイルスの影響でステイホーム需要が増加している。中でも、最も売上が伸びている一つが自作ギターの組み立てキットだ。ECサイト「RockMusicStore」では3月6日、"DIYギター"の新型モデルを販売した。
新しく登場するのは「変形FVカスタムタイプ」(税込2万6500円/以下すべて税込価格)、「TLデラックスセミホロウタイプ」(2万7500円)、「トレモロ搭載TLセミホロウタイプ」(2万9500円)、「フロイドローズ搭載モンキーグリップタイプ」(2万7250円)の4種類。
これまでにヘッド未加工のギター定番タイプDIYキット(1万6500円)からレッド・ツェッペリンの使用で有名なWネック(4万5000円)まで販売しており、左利きモデルもある。
「隠れたブームが来ていることは間違いないかと思います」
「DIYギターキット」を企画・販売するフィードバックグルーブの稲葉浩太代表は「コロナ前と比べ売上は8倍です。ただ仕入れが追いつかなかったため売り切れを起こさなければ10倍は売れていたかと思います」と好調のようだ。
「2020年は世界最大手のギターメーカー・フェンダー社は過去最高の売上となっていますし、日本のギターメーカーに勤める友人も『今までにない売れ方でとても忙しい』と言っていました」
続けて「日本は上場ギターメーカーなどがいないため目立ちませんが、隠れたブームが来ていることは間違いないかと思います」とギターブームの波を実感しているようだ。元々、DIYギターは"オタク"の購入者が多かったが、コロナ禍でかつてギターを演奏していた50~60代なども手に取るようになったという。
「北米やヨーロッパなどDIY文化が根付いている地域では、DIYギターもすごい売れ行きだと聞いています。弊社では現在、ギター初心者や女性の購入者が増えています。ギター作りに必要な工具のレンタルを始めたことも大きいかもしれません」
「この楽しさをもっと伝えられたら」
販売元では、ギター製作に役立つ電動ドライバーやハンダこてなどを含むDIY8点セット(6900円)を販売していたが、そのほか役立つ工具を含めた11点セットの2週間レンタル(2200円)も開始した。
パーツのヤスリがけや塗装などにこだわって長期間かける人もいるが、組み立てるだけなら初心者でも3~5時間程度で完成する。これからもギターを作るかは分からないが試しに作ってみたい、という人の背中を押しているようだ。
稲葉代表は「自分に作れるのかと不安が多い人も多いようなので、今後は実際に作った人の声や写真などの事例を発信していきます。販売していてつくづく面白い商品だと感じているので、この楽しさをもっと伝えられたらと思っています」とコメントした。