納税は国民の義務だが、失業や病気などの事情から一時的に支払い不能となる可能性は誰にでもある。しかし、徴税を行う役所側の対応はかなりドライだ。大阪府の40代男性(不動産・建設系/個人事業主/年収500万円台)は、
「支払い困難で滞納していた時に役所へ相談に行ったら『あなたの死活問題は関係ありません。食費を返済に回して下さい』と言われました」
と明かす。不測の事態に延納や猶予が認められなければ最低限の生活さえままならないが、税金の督促は下手な借金の取り立てよりも厳しいようだ。(文:大渕ともみ)
「家にまで来て、テレビや子どものおもちゃまで差し押さえられた」
福岡県の50代男性(その他/個人事業主/年収100万円未満)は、市役所からの差し押さえに人生を振り回されてきた。腰椎椎間板ヘルニアを患い入院、会社を退職したのが事の始まりだ。男性は、
「国民健康保険料が払えず、市役所税務課に相談。定職に就き、落ち着くまで待ってもらう約束をした。その後やっとの思いで就職したのに、市役所から会社に給料支払い確認が。滞納の話が社内中に広がり、心労で再び職を失った」
と打ち明ける。男性の苦労はそれからも続き、「コンビニでアルバイトをするも、給料差し押さえ。小銭貯金を銀行で両替し、やっと食事ができると思ったら差し押さえ。さらには家にまで来て、テレビや子どものおもちゃまで差し押さえられた」と厳しい取り立ての実態を告白。男性は、
「生活保護に頼ろうとしたが『家族や親族がいるから無理』と言われた。どう生きていったらいいかわからない」
と途方に暮れている。
「分納を希望したが市役所は給与差し押さえ。民間企業との対応の差を感じました」
メーカー勤務のアルバイト、都内在住の50代男性(年収200万円台)は、このコロナ禍で収入が激減。そのため地方税の支払いが困難になり、市に月3万円ずつの分納を希望した。しかし希望は通らず、「勤務先に連絡され、給与を差し押さえられました」と男性は語る。
「民間の携帯会社や電気会社、ガス会社はこの苦しい状況を理解し、支払いを猶予してくれました。一方で市役所は給与差し押さえです。分納してでも払っていく気持ちはあるのに……本当に民間企業との対応の差を感じました」
と胸中を明かした。
大阪府の40代男性(その他/派遣社員/年収300万円台)は「仕事を退職した後でも、社会保険料や年金保険料を『払え!』と言われた」と不満をもらす。「払いたくても収入が0円だから払えない。免除申請もあるけど、そもそも失業者への取り立てを止めてほしい」と要望を述べている。
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