ブラック企業という言葉を耳にするようになってから久しい。テレビのワイドショーや雑誌、はたまたネットニュースでも頻繁に取り上げられるが、キャリコネニュースにもブラック企業経験者からの声が多く寄せられている。
ITエンジニアの40代女性は「残業代を誰ももらったことのない会社にいました」と語る。給与には月60時間分のみなし残業代が含まれており、「みなし時間を超えた分に対する賃金支給はありませんでした」と振り返る。(文:中島雄太)
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「上司の事前指示を受けた時しか残業申請できません」
女性が働く会社には20人ほどの社員がいて、そのほとんどが営業とITエンジニアだった。「エンジニアは自社開発のシステム導入のために、全国各地へ出張します。会社は東京ですが、出張先が九州や北海道でも日帰りです」と女性。週に3日は出張のため、必然的に労働時間が長くなるが、
「朝6時に家を出て、夜12時に帰ることもざら。それでも出張時の労働時間は9時から18時となり、早朝から夜遅くまで働いても残業はつきませんでした」
と不満を漏らした。
介護職に従事する20代女性も、残業代のつかない会社で働いている。女性は「『残業代がつくのは残業時間が30分を超えてから』と言われています。さらには上司の事前指示を受けた時しか残業申請できません」と明かす。また「年1回は昇給がある」と説明を受けたが、
「昇給は一度もありません。先輩にも確認しましたが、みんな口を揃えて『昇給などない』と言います」
と告白。ブラックな環境はそれに留まらず、女性は「利用者からの暴力やセクハラの横行。上司、施設長による一部の職員へのえこひいき。嫌いな職員に対するいじめ」と具体例を列挙。「職場の雰囲気は最悪です」といい、退職を決意している。
「うちはブラックだからね」と大笑いをされ「不安しかありません」
教育関係の職場で事務職として働いていた40代女性は、「労働基準法が変わったことから『ここはブラックなのでは?』と気づき始めました」とコメントを寄せる。
自宅から近く、家庭の都合で休める職場環境にはじめは満足していた女性。6年ほど勤め、「同僚はみなさん主婦だし、楽しく働いていました」と振り返る。違和感を覚えたきっかけは些細なことだった。女性が有給休暇を申請すると「そんな制度はない」と返されたのだ。不審に思った女性が「それは労働基準法に引っかかりますよね?」と雑談をしたところ、
「誰かが言わなきゃ問題にはならない。うちはブラックだからね~」
と大笑い。女性は社会保険も用意されていない職場を不安に感じ、その後退職。現在は別の会社で働いている。
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