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マンガ誌編集長が選ぶ、2020年のイチオシ作品

2021年03月05日 17:04  コミックナタリー

コミックナタリー

「マンガ誌編集長が選ぶ、2020年のイチオシ作品」ビジュアル
1月30日・31日に開催されたオンラインイベント「マツリー」にて先行公開したコラム企画「マンガ誌編集長が選ぶ、2020年のイチオシ作品」をお届け。総勢63人のマンガ誌編集長に、“ポップカルチャーのお祭り”をテーマにした「マツリー」にちなみ“心がお祭り騒ぎになった2020年のイチオシ作品”を紹介してもらった。なお掲載順は出版社の五十音順となっている。

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■ 目次
秋田書店KADOKAWAコアミックス講談社集英社小学館少年画報社新書館スクウェア・エニックス竹書房日本文芸社白泉社ヒーローズ双葉社フレックスコミックス

■ 信田敬介(月刊少年チャンピオン編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「WORST外伝 ゼットン先生」山本真太朗(漫画)、高橋ヒロシ(原案)、鈴木大(原作)
信田編集長コメント:「WORST」を長年担当していて、ゼットンの先生ネタは難しいから手を出しちゃいけないんだろうなと勝手に思っていました。その難題が鈴木大、山本真太朗両先生の手によって令和の世に実現した本作。あのゼットンが先生になる!体罰が厳禁な今の時代にどうゼットンは立ち回る!? 考えただけでもワクワクが止まりません!!!

■ 小山芳弘(月刊チャンピオンRED編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「24区の花子さん」吉富昭仁
小山編集長コメント:外出もままならない昨今、「ここではないどこか」へ行ってみたいという思いを抱えて悶々としている方も多いと思います。そんな鬱屈を晴らしてくれるのが「24区の花子さん」です! 東京に出現した謎の空間「24区」。そこではあらゆる常識も物理法則も通用しない。そこに侵入した少年・幸介は、謎めいた美少女・花子さんに出会う…! 世界の謎を巡る冒険に、花子さんと一緒に旅立とう!

■ 牧野眞介(月刊プリンセス編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「君の歌声にキスを」薫原好江
牧野編集長コメント:演奏シーンのゾクゾクするようなカッコ良さは必見!!バンド漫画であり恋愛漫画でもある本作は主人公・華音がコンプレックスだった自分の「声」を「好き」と言って受け入れてくれるギタリスト・一星と出会ったことで運命が動き出します。不安や恐怖と戦いながらボーカリストとして一歩ずつ音楽に向き合う華音の姿はこの作品の大きな魅力。また、不器用な二人のもどかしくも純粋な恋愛模様もキュンとすること必至で、男女問わず共感ポイント満載の作品です。

■ 齋藤功衛(月刊ミステリーボニータ編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「きみを死なせないための物語(ストーリア)」吟鳥子
齋藤編集長コメント:天寿を全うすることを疑わなかった世から大きく変化し、心が重くなるニュースが続く昨今。「自分の命にも、役割がある」こんなにも心が奮い立つ言葉が他にあるでしょうか。地球に住むことが難しくなった未来を描くこのSFストーリーは、閉塞した社会の中でとてつもなく大きな障壁に挑む主人公たちの行動を通じ、人が人として生きるための指針を得られる稀有な物語です。本編は完結し、現在は物語の前日譚ともなる番外編が連載中です。ぜひご一読ください。

■ 武川新吾(週刊少年チャンピオン編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「吸血鬼すぐ死ぬ」盆ノ木至
武川編集長コメント:皆が密かにもっているインナーなマインドに笑いの火をつける漫画界オンリーワンのギャグ漫画だと思います。昨年、作者の盆ノ木先生発案で実施されたキャラクター人気投票は、一口当たりの投票桁数が自由という大変おかしなルールゆえ、無量大数や那由多などの天文学的な数字が飛び交うバカバカしい集計結果となり、盆ノ木先生が集計結果を題材に描いた漫画本編(超有名キャラ!?のお忍び参戦も。。。)も、珍テンションで週チャン誌面がお祭り騒ぎとなりました。2021年TVアニメ化も控えるイチオシ作品です。

■ 松山英生(別冊少年チャンピオン編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「クワトロバッテリー」高嶋栄充
松山編集長コメント:“若者には無限の可能性がある”なんて嘘臭すぎて信じられなかった自分の青春時代を恥じるほど、この漫画の主人公たちは可能性を求め、決断し、行動します。2人の投手と2人の捕手がシャッフル!! 4種のバッテリーに甲子園優勝の夢を懸ける!! 白球を追いかけお互いを高め合う熱血ドラマに、球児たちの“片思い”が交錯する新機軸野球譚!! 高校野球を愛する全ての人にお届けしたい作品です。あと15話の補欠部員の物語は切なすぎて校了中、泣けてきました。

■ 梅澤丈文(ヤングチャンピオン / 別冊ヤングチャンピオン / ヤングチャンピオン烈編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「松かげに憩う」雨瀬シオリ
梅澤編集長コメント:雨瀬シオリが辿り着いた吉田松陰。この作品は、人を描いている。現代社会は、どこからが善でどこからが悪か、有用か無用かを数値化し、白と黒の境界線はどこなのか彼此の置き所を模索し続けている。だが社会を構成する個人の内実はそうではない。白くも黒くもあり、表でも裏でもあり、理性的でありたいのに感情的で、懇篤の情に溢れながらもひどく残酷だ。社会が大きく動くとき、人は社会と、どうしようもない己の生来的な人間性の間で揺れ動き、悩む。社会性と人間性の混然たる袋小路に陥ってしまえば、そこから抜け出す手段は、より根源的な魂の熱狂でしかないのだ。吉田松陰はひどく熱狂している。厳しくも優しく、あまりにも儚く熱狂している。そしてそれは、とても美しいのだ。

■ 鈴木祐理子(月刊ASUKA編集長代理)の2020年イチオシマンガ


□ 「Mr.マロウブルー」サマミヤアカザ
鈴木編集長代理コメント:「もしも自分以外の人間になれたら世界はもっと美しく見えるだろうか?」誰もが少なからず感じたことがあるであろうこの感覚。サマミヤアカザ氏の「Mr.マロウブルー」は27歳引き籠りの青年・蒼井が突如、見ず知らずの16歳女子高生と入れ替わってしまう物語。彼女は誰で、ここはどこで…? 強制的に外の世界に放り出された蒼井が、唯一秘密を共有する男子高生すばると共に元に戻る方法を探しながら、それぞれが背負った「秘密」と「過去」をなぞります。共感度100%のセンシティブ・トラアングルラブストーリーは透明感に満ちています。

■ 松井健太(月刊コミックアライブ編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」二丸修一(原作)、井冬良(漫画)
松井編集長コメント:シロの「私、えちぃ人って、嫌いなの」その目で蔑まれたい!という私の感想はさておき、主人公・初恋の相手・幼なじみをめぐる、恋と復讐の物語です。電撃文庫より刊行中の現在もっとも勢いのあるラブコメノベルのコミカライズ作品で、今年の4月にTVアニメ放送も決定しています。小説のテンションままに、お話も絵も密度が高いマンガですので、恋をしたい方、青春したい方、もちろん可愛い女の子を愛でたい方も、ぜひご一読ください。

■ 大山曉子(月刊コミックキューン編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「拝啓…殺し屋さんと結婚しました」高坂曇天
大山編集長コメント:冷静で無表情、殺し屋業界のなかでもトップクラスの凄腕美人殺し屋さんと結婚したら、刃物を使わせたら超一流(料理)、わずかなホコリも見逃さない(掃除)、家事もパーフェクトな奥さんだった。しかしそんな彼女がどうしても殺しきれないもの……それは旦那さんへの「好き」という感情。クールな殺し屋さんが旦那さんだけに見せるストレートな愛情表現は必殺必中の破壊力。殺し屋さんとの甘々な新婚生活にとことん殺られてください!

■ 矢田典(月刊コミックジーン編集長代理)の2020年イチオシマンガ
□ 「虚の記憶」Eve(原作・プロデュース)、ネヲ(漫画)
矢田編集長代理コメント:心が人外化する現象にまつわる青春譚。音楽アーティスト、Eveによる原作・プロデュース作品であり、大人気イラストレーターのネヲが漫画を担当し話題を呼んだ。「いま」の少年少女の心の問題にスポットをあてつつ、バトルやミステリーで魅せている。Eveが楽曲で描いてきた世界観とのリンクも多く仕掛けられており、楽曲と漫画を行き来する度に新たな発見がある。動画・SNS文化全盛のいま、「新世代の漫画」の形を示す一作。

■ 加藤浩嗣(月刊少年エース編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「ゲーセンの彼女」オクショウ(原作)、MGMEE(漫画)
加藤編集長コメント:バイト先のゲーセンに、ゲームが大好きだけど腕前がイマイチな美少女が現れた!? プライズを獲るコツを教えてあげたり、ゲーセンのあらゆるゲームを手取り足取り教えてあげる…そんなゲーマーの楽園がこの漫画には存在するっ! 胸で撃ち込め必殺コンボ! 尻を支えろダンスゲーム! ゲーセンならではのラッキースケベ満載! 今一番ハイテンションでセクシーなゲーセンラブコメ! いい汗かこうぜ。

■ 峯健司(月刊コミック電撃大王編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「野人転生」野人(原作)、小林嵩人(作画)
峯編集長コメント:定番となったチート能力をもらって無双する異世界転生ものが「俯瞰のゲームでキャラクターを扱っている感じ」だとすると、こちらは「目の前で起こっているVR感覚」というべき身近な距離感の、「異世界転生もの」です。チートもなく、素っ裸で異世界に転生した主人公ですが、幸い、本人の身体的な能力が高く、ギリギリで殴り勝っていきます。そうです。剣を持ち、鎧で身を固めた相手を、関節技と素手で倒す、これはそんな「痛快な」まんがです! 是非、一読してみてください。クセになります。

■ 武本健太郎(月刊コミックフラッパー編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~」江島絵理
武本編集長コメント:江島絵理先生の最新作です。お嬢様学校に入学した庶民の綾が、憧れていたお嬢様の「白百合さま」が格闘ゲームをしているのを目撃するところから物語は始まります。題材としての格ゲーマーのおもしろさ、江島先生特有の百合展開の楽しさはもちろんありますが、格ゲー好き百合好きではなくても、キャラクターの強烈な個性、演出のキレ等々、学園コメディ漫画として最高に楽しめる作品です。

■ 原田崇史(月刊ドラゴンエイジ編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「ゲーセン少女と異文化交流」安原宏和
原田編集長コメント:「かわいい」の令和最前線はココ! ゲーセンでバイトする草壁蓮司が英国少女のリリーと出会い、なぜだか交換日記をするなかで育まれる、カタコトの恋愛未満?ラブコメ。ぎこちない会話を通してヒロインのピュアさが浮き立つというのは、単純ながら発明だなあ……と。とにかく何も考えずにリリーちゃんに癒されたいという向きにオススメ! あの独特のゲーセン文化が好きな方にもツボなポイントが満載です。

■ 飯島直樹(電撃マオウ編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「ざつ旅-That's Journey-」石坂ケンタ
飯島編集長コメント:「旅に出たい」と、ふとしたきっかけで思うことはありませんか? 漫画家志望の大学生・鈴ヶ森ちかがそう思い立ち、軽い気持ちでSNSを使って旅先候補のアンケートを取ったことから物語は始まります。ちかのノープランで行き当たりばったりな旅は、まるで自分もその土地を旅しているかのように、等身大の目線で旅の楽しさを伝えてくれます。こんな時だし、こんな旅も良い、こんな旅だからこそ良いと思わせてくれる一作です。

■ 加藤浩嗣(ヤングエース編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「地獄くらやみ花もなき」路生よる(原作)、藤堂流風(漫画)
加藤編集長コメント:罪人を地獄へ届ける「地獄代行業」をしている腹黒美少年探偵・皓と、罪人が妖怪に見えてしまうヘタレニート・青児のバディが奇妙でほの暗い怪事件に挑む! 皓の事件を見通す妖艶な表情と、青児に辛辣な言葉を掛けつつ嬉しそうな表情のギャップに身もだえ必至です。いつまでも、眺めていたい、この二人…。事件を通して少しずつ成長していく青児にも注目! ミステリ、妖怪、サスペンスが贅沢に味わえます!

■ 渡邊慎之介(ゼノン編集部統括編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「終末のワルキューレ」アジチカ(作画)、梅村真也(原作)、フクイタクミ(構成)
渡邊編集長コメント:小5気絶!中2悶絶!とキャッチにある通り、大人になった自分の中の少年心が熱くお祭り騒ぎになる激アツバトル漫画です。神vs人類13番勝負! 神と人類がタイマンで殴り合う!というシンプルな設定でありながら、闘士のキャラクターがとにかく魅力的。漫画でありながら、まるでスポーツ観戦をしているが如くの臨場感で、思わず「応援しながら読んでしまう」ライブ感200%の作品です!

■ 土屋俊広(イブニング編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「賊軍 土方歳三」赤名修
土屋編集長コメント:私自身も幼い頃より新選組ファンなのですが、そのファンの夢が詰まった作品です。こうだったらいいな……という願望を具現化して、けっして夢物語ではなく徹底的に時代考証の上にたって物語が紡がれる。しかも、超絶作画の赤名修先生です。新選組漫画史上、屈指の沖田総司が拝めます。とにかく殺陣シーンが凄い。お勧めは新しい視点で描かれる池田屋。もちろん土方歳三もむちゃくちゃカッコいい。兼定や菊一文字など日本刀も登場するので刀剣ファンにもお勧めです!

■ 鎌倉ひなみ(Kiss編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「無能の鷹」はんざき朝未
鎌倉編集長コメント:無能に見えるけれど有能という人は数多く描かれてきました。しかし、逆のキャラクターを主人公で描くのは難しい。それゆえ優しい世界観で、ただ無能な人である鷹野の活躍を描いたこの作品はとても新鮮です。まさに新感覚のお仕事漫画! 不思議と元気が湧いてくる漫画でもあります。女性漫画誌「Kiss」から生まれた、この作品の世界観は超ジェンダー社会。はんざき朝未さんの並外れた才能を感じられる世界観を是非お楽しみください。

■ 金井暁(月刊アフタヌーン / good!アフタヌーン編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「メダリスト」つるまいかだ
金井編集長コメント:イチオシはつるまいかださんの描くフィギュアスケート漫画「メダリスト」。小学5年生の、何をやっても大体ダメダメな女の子・いのりと、スケートの夢を断念しようとしている司、ふたりが選手とコーチになって、遥かオリンピックの表彰台を目指す絶対感動できる氷上の物語です。この作品がもし特大ヒットしなかったら、僕もう漫画編集者なんか続けたくないです。それぐらい、激オシ。

■ 高見洋平(月刊少年マガジン編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「さよなら私のクラマー」新川直司
高見編集長コメント:唯一無二の女子高校サッカー漫画。熱くて、切なくて、眩しくて…大迫力のサッカーシーンと、詩集のように繊細かつ美しい台詞。ヒロインたち一人一人の生き様が、心に刺さりまくります。弱小チームが、みんなで力を合わせて強くなる。戦う少女たちの物語ですが、まさに王道少年漫画です! 4月からはアニメが超異例のTV放送+映画という形でスタートします。原作コミックス最終巻となる14巻も4月1日発売です。

■ 栗田宏俊(週刊少年マガジン編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「カッコウの許嫁」吉河美希
栗田編集長コメント:ご存知の通り漫画の売り上げも年々電子の比重が高くなっており、編集部によっては電子の方が売れているなんて作品も珍しくなくなってきています。それはそれでいいんですが、昭和生まれの僕としてはやっぱり紙のKCが売れるとやはり感慨深い! 『カッコウの許嫁』は2020年5月に第1巻が発売となりましたが、発売前から重版に次ぐ重版で、まさに去年一番“心がお祭り騒ぎになったマンガ”でした。電子には重版ありませんからね! 紙が売れた時だけ味わえる快感なんです。

■ 山口崇(少年シリウス編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話」横田卓馬
山口編集長コメント:第5巻(12月発売)に収録の「夏休み編最終話」で、いやまあそうなんだけど、いざそうなってみるとやっぱこれは感動するわー……みたいな超いい展開が! 「シリウス」掲載時は折よく夏の終わりの8月26日発売号、しかも急遽決まった表紙&巻頭カラーだったにもかかわらず、ドンズバでキメきってくれた横田さんに、私と読者(アンケート1位!)の心はお祭り騒ぎになったのでした。

■ 吉田守芳(少年マガジンエッジ編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「女装してオフ会に参加してみた。」くらの
吉田編集長コメント:気になる女子にお近付きになるため、女装してオフ会に参加したココア。だけどお目当てのあの子も女装男子で!? くらの先生が自分の趣味満載でTwitterに投稿した作品が大バズリ。「マガジンエッジ」の兄弟誌「シリウス」が運営する「ツイシリ」に全ページ描き直し連載し、更に人気が爆発! コミックスも発売後1週間で重版となりました。4人のキュートな女子(仮)の性別はどっちなの? 4人の関係は恋愛に進むの?色んなドキドキ満載です!

■ 森田眞(デザート編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「なのに、千輝くんが甘すぎる」亜南くじら
森田編集長コメント:告白して玉砕した真綾だけど、学校一のモテ男・千輝くんが「片思いごっこ」を提案してくれて! 少女漫画界ではすでに神ヒット! ですが、この漫画は全国民にお勧めしたいです。千輝くんはもちろん最高なのですが、僕は主人公の真綾がこの漫画の肝と感じております。とにかく人間に対して誠実。一生懸命に生きていて見ていて涙がでます。千輝くんが最高なのはそんな真綾のみんなが見逃しているすばらしさをだれよりも気づいているところだと思います。ぜったい読んでほしい作品です!

■ 須田淑子(なかよし編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「蝶か犯か~極道様 溢れて溢れて泣かせたい~」鳥海ペドロ
須田編集長コメント:その命に100億円の値がつけられ、全国の極道から狙われることになったお嬢様JKみうみ。彼女を護るのは、関東最大極道組織の若頭。みうみは彼を恐れるどころか、泣いたことがない若頭を相手に、「泣かせます!」と約束して……。みうみの天然ぶりに心奪われていく若頭の振り回されっぷりが新しくて、キュンの嵐……! 圧倒的画力、かつ臨場感のある展開の連続で、少女漫画ということを忘れてドキドキハラハラ!事件な漫画です!

■ 米村昌幸(BE・LOVE編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「ゆりあ先生の赤い糸」入江喜和
米村編集長コメント:主人公の伊沢ゆりあは、夫・吾良がくも膜下出血で倒れた後に美青年の愛人や2人の子どもを抱えた愛人が次々と現れ、波乱万丈な状況に翻弄されてしまいます。がしかし! ゆりあ先生は葛藤に悩みつつも自分の心に真っ直ぐに生きようと踏みとどまります! 50歳ヒロインの物語ですが、私のなかではピュアな少女まんがそのものです。いや歳を積み重ねて辛い経験もしてきたからこそ、ゆりあ先生には少女以上に幸せになってほしい……そう思わせてくれる素晴らしい作品です。

■ 乙黒和彦(別冊少年マガジン編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「おかえりアリス」押見修造
乙黒編集長コメント:「惡の華」で歪な青春を描き少年漫画の新たな金字塔を打ち立てた、押見修造先生の最新作です! 今回の題材は、男×女×男の三角関係です。一見すると普通にみえる関係ですが、まったくもって一筋縄でいきません。転校した男友達が女性の見た目になって帰ってきたのです。彼は男の子でも女の子でもない……? 想いを寄せている少女、怪しい魅力を帯びる友人の、2人の狭間で揺れ動く新たなる性春──。必見です!! イッちゃってます!!

■ 森田眞(別冊フレンド編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「山口くんはワルくない」斉木優
森田編集長コメント:コワモテ関西弁男子×真面目女子ラブストーリー! 電子を中心に勢いのある別フレ新エース候補作家の作品です。山口くんが破壊力抜群の「きゅん」を連発するのですが、僕は主人公の皐の魅力が高いからこそ山口くんの良さが引き出されていると感じています。山口くんという未知の生物に出会って初めての恋にのめりこんでいく皐。気弱な少女が恋を知ってどんどん勇気をもらっていく。その姿に山口くんの恋心もさらに高まって…というまさに相乗効果抜群カップル!! キャラも作家も伸び盛りの作品です!

■ 山本憲一(ヤングマガジン編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「夫のちんぽが入らない」こだま(原作)、ゴトウユキコ(漫画)
山本編集長コメント:「多様性」などという、もはやふやけきってしまったスローガンの傍らで、なお、「生き苦しさ=息苦しさ」と格闘し続けた夫婦の軌跡、そのマンガ版がひとまずの完結(いや、節目?)を迎えました。安易な「希望」を押しつけることなく、でも確かに未来も感じさせる、マンガ版オリジナルのエンディングも、原作者のこだまさんのみならず、多くの読者の共感を呼んでいます。全5巻、各巻の表紙の変遷も必見ですぞ!

■ 待井寿美子(君恋編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「のみ×しば」田倉トヲル
待井編集長コメント:BLアンソロジー「君恋」の人気連載作品「のみ×しば」。舞台は全寮制の男子校。女子顔負けのカワイイ御子柴に、同室の野宮が恋をした! 実は、御子柴の方も野宮のことが好きで!? 周りはみんな知っているけど、本人たちは気づいていない両片想い。そんな2人の勘違いやイチャイチャが、幸せな気持ちにさせてくれる作品です! 御子柴の天然のかわいさ、野宮の男前なカッコよさ、ワチャワチャした男子校のノリ、気分も上がる青春ラブコメです。

■ 松田充生(クッキー編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「日に流れて橋に行く」日高ショーコ
松田編集長コメント:時は明治末、物語の舞台は東京、日本橋。当時は日露戦争後の不況や感染症の脅威など、世相は決して明るいものではありませんでした。そんな中、進取の気性に富んだ若者たちが、衰退した老舗呉服店を新時代の百貨店に転換させるべく、情熱を燃やします。歴史ドラマではありますが、描くのは有名な事件や歴史上の人物ではなく、逆境の時代にも光明を見出そうとする若者たちの挑戦は、現代のスタートアップ企業の構図にも通じるものがあります。

■ 藤澤文彦(ココハナ編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「抱きしめて ついでにキスも」美森青
藤澤編集長コメント:気になるイケメン年下男子・竹田くんから「相手ができたらおとなしく消えるんで、それまで俺と恋愛してください」なんて言われたら、それだけで主人公・たま子も読んでいるこちらも心はお祭り騒ぎです。しかもこの彼、普段は塩対応なのに恋愛に関してはとってもピュアでいちいちカワイイ。行き違いでたまにギクシャクしながらも、少しずつ愛を深め合っていくふたりを見ていると心がホッコリして、ますます応援したくなってしまいます。

■ 河野万里子(ザ マーガレット編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「僕は小さな書店員。」青山はるの
河野編集長コメント:ザ マーガレットは大人になっても楽しめる少女漫画誌なのですが、中でもこれは人気の連載。夢見がちな27歳・書店員の女子が、3つ年下の後輩から告白され、不器用だけど温かい現実の恋をはじめます。「一生懸命に相手を大切にすること」という、大人になるとつい忘れがちな恋の原点を思い出させてくれるマンガです。いま疲れている方がいましたら是非、このキュンキュンするセリフのシャワーを浴びて、自分を甘やかしてあげてください。

■ 齋藤孝太(デジタルマーガレット編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「たっぷりのキスからはじめて」梨花チマキ
齋藤編集長コメント:「日々頑張ってるんだけどなんだか上手くいかない悩み、こんなことあったらいいなをいつもより多めに考えて描いています。ひばりの恋には不器用だけどマジメなところ、柳の仕事への気持ちや男としての本当の気持ち、親への感謝の気持ちを大切に描ききれたらいいなと思いました。」という作家のコメント通り、大人の恋愛漫画としてTLの枠を超え真正面から「性」と「人生」に向き合った意欲作。大学時代のトラウマで不感症となった少女漫画編集者とEDを抱える温泉旅館のイケメン若旦那が運命の再会を果たし、濃密な恋愛ドラマを展開します。

■ 今井孝昭(マンガMee編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「サレタガワノブルー」セモトちか
今井編集長コメント:読めば不倫をしたくなくなる(したくなるじゃありません!)マンガというコンセプトで描かれた本作ですが、不倫にまつわるネタや情報量が盛りだくさん。作中に登場する世間一般的な意味での非常識人(不倫スル側)と常識人(不倫サレル側)が、様々なドラマを繰り広げ、先の展開を読まずにはいられなくなること間違いなし。人間の愚かさと面白さが、渾然一体となった「不倫エンタテイメント」の傑作です!

■ 相田聡一(りぼん編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「ハニーレモンソーダ」村田真優
相田編集長コメント:すでに累計発行部数500万部突破(デジタル含む)! 今夏にはSnow Manのラウールさん主演で実写映画化も決定した、今や、『りぼん』の枠を超え、少女まんが界を代表するヒット作に成長した1作! 村田先生の繊細かつ大胆な絵柄、界くんの圧倒的カッコよさというキャッチーな要素もさることながら、ヒロイン・羽花の心情を丁寧に描きながら2人の関係を「こう盛り上げてきたか」と常に感じさせられるドラマ性の高い構成力に毎号毎号脱帽です!

■ 畑中雅美(Sho-Comi編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「青春ヘビーローテーション」水瀬藍
畑中編集長コメント:青春って…多分実在しないんですよ。もうそういうことで良いと思います。皆の憧れるファンタジーなんです。そう思う位、読んでる間ハッピーな世界に連れていってくれる漫画です。平凡だけど善良な少女がいて、その子の優しさに気づいてくれる男子がいて、友達がいて、誠意ある人達がお互いを思いやる。そんな青春がヘビロテされてく世界。もう癒やししかない漫画です。…最高。実在するといいけど…それを願うには幸せすぎる漫画です。

■ 西巻篤秀(Cheese!編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「王の獣」藤間麗
西巻編集長コメント:あの大ヒット作「黎明のアルカナ」の世界を受け継ぐ皇宮ファンタジーです。男装の獣人少女と皇子を中心に繰り広げられる物語はいよいよ今年核心に迫っていきます。その展開が各キャラクターの端麗で独創的な語り口で紡がれていくのが藤間ファンタジーの真骨頂!ヒロインの獣人と皇子の感情、死別したはずの弟の行方、とりまく皇宮の陰謀、そしてアルカナの秘密全てが結集する今年、まさに機は熟す!イチ推し作品です。

■ 藤谷小江子(ちゃお編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「大人はわかってくれない。」まいた菜穂
藤谷編集長コメント:名門中学に合格し、学校に近いタワマンに引っ越してきた平凡庶民の紬。引っ越し早々、同じ中学に通う男子、颯と景に出会う。セレブで勉強ができてイケメンな2人だけど、性格は短気すぎる狂犬チワワと王子キャラで正反対。最初は住む世界が違うと思っていた紬は、だんだん颯にひかれていき…。タワマンと名門私立中を舞台に、庶民女子×セレブ男子の恋が始まる! ちゃお読者から熱狂的に支持されているまいた菜穂先生の新作です。ぜひ、ご一読ください。

■ 中熊一郎(ビッグコミック編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD」山本おさむ
中熊編集長コメント:不思議な漫画がある。 その作品は、取っ付きが悪いらしく、なかなか手に取ってもらえないのだが、いったん読んでみた人はみんな「すっげー面白いですね!!」と言う。その漫画は『赤狩り』という。お堅い政治漫画だと思いきや(確かに政治の話ではある)、マリリン・モンローの死の真相や、ケネディ暗殺の真犯人までミステリー仕立てで描き、全てが「赤狩り」が原因となっているという。『遙かなる甲子園』『どんぐりの家』等、ヒューマンドラマの第一人者・山本おさむの最高傑作。単行本巻末には、どこまでが真実で、どこまでが作者の創作なのかを説明する解説コーナーが好評。漫画家志望者必読とさえ言われている名著なのだ。

■ 古川麻子(flowers編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「マロニエ王国の七人の騎士」岩本ナオ
古川編集長コメント:「このマンガがすごい!」オンナ編(宝島社)にも常連の岩本ナオ先生の「町でうわさの天狗の子」「金の国 水の国」に続く最新ファンタジー作品第4巻(2020年2月発売)を推します! ほぼ1年1冊のゆっくりペースですがこの4巻はすごいです。キャラクターの豊かな表情も相変わらず魅力的なのですがこの巻で舞台となる「生き物の国」の描写が圧倒的です。細かく描き込まれた自然や神殿やたくさんの魅力的な人物たち。そのうえ騎士(今回の主人公)とその国の王女との恋のときめきに彩られた王道少女漫画でもあります。ぜひ恋と冒険と「ここではないどこか」に夢中になりたいすべての方に読んでいただきたい作品です。

■ 萩原綾乃(ベツコミ編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「コールドゲーム」和泉かねよし
萩原編集長コメント:5人の王女が正妃の座をめぐり、頭脳、美貌、体力、己の全てを賭けて勝負する!! 何が勝利で、何が幸せなのか? 予測不能のサバイバル女子力バトルが最高です!

■ 和田裕樹(マンガワン編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「灼熱カバディ」武蔵野創
和田編集長コメント:理由は私が今まで読んだスポーツ漫画の中で一番面白いから。ほとんどの人がルールを知らない競技なのに、予備知識なしで絵だけで何がおきているのかわかる画力とセリフ、躍動感があります。実は2020年は強敵とのある1試合だけが描かれているのですが、読み出すと息継ぎが必要なくらい熱すぎてあっという間。敵味方の全選手によくやった!って声をかけてやりたいくらい感情移入できます。自信を持ってお勧め!!

■ 須見武広(アワーズGH編集長代理)の2020年イチオシマンガ


□ 「悪役令嬢転生おじさん」上山道郎
須見編集長代理コメント:年末に発売し即重版、翌日再重版するほどにヒット。本作は著者が異世界転生ものを勉強した際に最も気に入った[悪役令嬢]を自分で描くなら…とTwitterに上げたところ16万いいねが付くほどにバズり、また単行本発売前なのに次にくるマンガ大賞のコミックス部門で4位に入った作品。オタク公務員が乙女ゲー世界の悪役令嬢に転生、おじさんスキルでヒロインやイケメン軍団たちを次々と魅了していく物語。早く2巻を刊行するべく進行中です。

■ 村岡志保(ヤングキング編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「さよならブラック企業 働く人の最後の砦『退職代行』」外本ケンセイ、小澤亜季子(監修)
村岡編集長コメント:ポストコロナの時代、激変する労働環境のなかで戸惑っている人は多いのではないでしょうか? これは会社をやめたくてもやめられない人に代わって退職の申し入れ・交渉・手続きを行なうサービス「退職代行」をテーマにしたマンガです。パワハラ・過重労働・極悪ノルマ・不当賃金…ブラック企業を辞めて弁護士事務所で働き始めた主人公リコは、シビアな現実に直面しながらも「仕事」のあり方を模索していきます。監修を務める弁護士によるコラムも収録、役立つ法律知識も手軽に学べます。労働環境が激変しつつある今「労働の最前線」を描く令和労働バイブルです!!

■ 石川美紀(ウィングス編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「八百夜」那州雪絵
石川編集長コメント:かつて父・凶王クロイズによって国中の女たちが虐殺されたトオワの少年王アケト。アケトはだが少年でなく少女だった。館の奥深く身近な者にも性別を偽って育てられ、外の世界を知らない笑わない彼女の心を解いたのは、不老不死だという旅の男ヤオのホラのような昔話の数々。それは私たちもよく知っている日本の昔話と似ていて……。名手・那州雪絵の最新作はさすがな面白さ!! 現在2巻、これからこの世界にまつわる大きな秘密もみえてくるところ。見逃さないでほしい……というところで、テーマが「マツリー」ならこちらもどうしてもはずせない!! 変則だがこの紹介動画を見てもらえれば。「艶」で美しい(そしてちょっとアホな)男たちの、華麗なアクションとテンション高い情念のぶつかりあい。まさに「祭り」な弊誌ウィングスの看板作「艶漢」です。

■ 河野謙一(ガンガンONLINE編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「わたしの幸せな結婚」顎木あくみ(原作)、高坂りと(漫画)、月岡月穂(キャラクター原案)
河野編集長コメント:原作小説も併せてシリーズ累計250万部突破の大ヒット作になりました。 特殊な能力を持つ家系に生まれながら、その能力を発揮できない美世は、継母と異母妹に虐げられていた。 その特殊な血の継承を目的に、冷酷と噂の男に嫁ぐことになるが…。 架空の大正時代を舞台に不幸な主人公が少しずつ幸せになっていくシンデレラストーリーです。

■ 窪田健一(ガンガンJOKER編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「賭ケグルイ」河本ほむら(原作)、尚村透(作画)
窪田編集長コメント:今やギャンブル漫画としては業界を代表する感のある本作品が、この数巻で大きく盛り上がっています。第1話で出会った因縁のライバル・夢子VS芽亜里が遂に激突した13巻。そして14巻は生徒会長選挙戦の決着を占う大ボス・定楽乃との戦い。綺羅星のような登場人物たちが、それぞれの誇りを賭けてギャンブルする様は圧巻です。2021年には映画第2弾とスピンオフ「賭ケグルイ双」のドラマ化もあり、今年こそ目が離せない作品です。

■ 下村裕一(月刊少年ガンガン編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「おじさまと猫」桜井海
下村編集長コメント:ペットショップで売れ残っていた一匹の成猫。日に日に値段が下げられて、客に見向きもされずにいたある日、その猫は一人の男性と出会います。誰かに愛されたかった猫とおじさまとの日々が丁寧に描かれた物語、泣いて笑って、そして心がほっこり温まります。単行本の累計は170万部を突破し、実写ドラマ化もされて大注目のこの作品、未読の方はぜひご一読ください。

■ 小泉浩志(ビッグガンガン編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん」長田悠幸×町田一八
小泉編集長コメント:お祭り騒ぎのお題にピッタリなのは「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん」! 某超有名ギタリストの霊に憑りつかれた女教師が学生達とバンドを組んで伝説をつくろうとする、熱い音楽青春マンガです。 注目は音のないマンガなのにライブ会場の熱さまで伝わってくるような驚きの演出の数々。巻を追うごとに増すその熱量は、フェスのない今のご時世に、読者をあのお祭り騒ぎの興奮へと誘ってくれますよ! 画像の最新16巻(2/25発売)まで一気読み推奨!!

■ 望月(月刊Gファンタジー編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「東京エイリアンズ」NAOE
望月編集長コメント:サバイバルゲームをテーマにした大ヒットコミック「青春×機関銃」のNAOE先生が放つ最新作。数百年前から地球に来訪している宇宙人達。彼らの行動を管轄し、時には捕縛、強制送還も行う秘匿組織「AMO」。9年前、凶暴な宇宙人「ハクギン」に父を殺された主人公・郡司晃。彼と同じ高校一年生で、AMOに所属するクールイケメン天空橋翔。魅力的なキャラクターと設定に加え、前作からさらに進化したアクション描写。宇宙人との、時にはハードなバトル、時にはハートフルな交流。見せ方の緩急が巧みで、一読者として大いに引き込まれる作品です。

■ 中川健(マンガUP!編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「エリスの聖杯」常磐くじら(原作)、桃山ひなせ(漫画)、夕薙(キャラクター原案)
中川編集長コメント:マンガUP!というと男性向け異世界転生作品のイメージが強いかもしれませんが、女性向けのファンタジー作品も充実しています。その中での一押しがこの「エリスの聖杯」。誠実だけが取り柄の地味な子爵令嬢コニーと、10年前に処刑された希代の悪女スカーレット・カスティエル。出会うはずのない二人がとある夜会で遭遇した時、スカーレット処刑の謎をめぐる物語が動き出します。利害関係から始まった二人の関係は、やがて大切な絆で結ばれた真の相棒(バディ)へと成長し、過去から続く巨大な陰謀と対峙していくことに…。貴族社会の闇から生まれる愛憎劇、群像劇のヒューマンドラマに、クライムサスペンスやミステリーの要素も加わり、更にはほのかな恋愛と盛り沢山! 「薬屋のひとりごと」のような謎解き要素のある物語が好きな方には特におススメな、読みだしたら止まらない「魔性の物語」です!

■ 石純一郎(ヤングガンガン編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「デッドマウント・デスプレイ」成田良悟(原作)、藤本新太(作画)
石編集長コメント:幾多の死地を踏み越えた最強の聖職者と希代の死霊術士の戦いは、新たな舞台『新宿』へと誘われる──。[デュラララ!!]の成田良悟先生が、藤本新太先生と紡ぐ「『逆』転生」ノワールファンタジーです。稀代の群像劇の名手・成田先生が紡ぎだすエッジな魅力溢れるキャラを、藤本先生の流麗な画力が昇華させた本作。まずは衝撃の第1話から。“心がお祭り騒ぎになる”こと請け合いです!

■ 高見澤明良(ストーリアダッシュ編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「魔法少女にあこがれて」小野中彰大
高見澤編集長コメント:魔法少女が大好きなのに悪の組織の女幹部に選ばれてしまったヒロインが、魔法少女を痛めつけていく中でサディストとしての才能を開花させるのですが、彼女が繰り出すフェチでエロいお仕置きにゾクゾクさせられています。SM趣味がない方もちょっと目覚めてしまうレベルでは!? 最近はお仕置きだけでなく、悪の幹部同士での激しいバトルシーンも必見。最新話から新章に突入しており、ますます目が離せません!!

■ 佐野宣人(週刊漫画ゴラク編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「ガンニバル」二宮正明
佐野編集長コメント:マツリー開催、おめでとうございます! 私の2020年イチオシ作品は「ガンニバル」です。二宮正明が圧巻の筆致で送る本作では、狂気に満ちた祭りが描かれています。山間の村・供花村で駐在として暮らすことになった大悟。しかしその村では、食人の疑いがあった…。大悟とその家族が直面する、狂気が満ちた村で行われる“祭り”。息もつかせぬ緊迫感と圧倒的狂気、分断の世を活写した今最も危険な漫画、ぜひ読んでみてください。

■ 佐藤一哉(花とゆめ編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「顔だけじゃ好きになりません」安斎かりん
佐藤編集長コメント:インスタ等、SNSで画面越しに見かける超絶イケメン…。女の子は誰しもそんな美男子の事が気になった事があるはず…! もしもリアルにそんな彼と、SNSの運営側、つまり中の人としてお近づきになれたら…!? SNS全盛、スマホ世代のドツボを突いた話題作! 2020年12月にコミックス1巻が発売され、発売後2週間で2度の大量緊急重版が大決定!&電子版も絶好調! 貴女の心をお祭り騒ぎにさせる花とゆめからのイチオシ作です!!

■ 武田直子(メロディ編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「かげきしょうじょ!!」斉木久美子
武田編集長コメント:歌劇音楽学校を舞台に少女たちが夢に向かってひた走る、スポ根要素もあるアツい作品が『かげきしょうじょ!!』です。夢は時に苦しくもがき手に入れるもの…。天真爛漫な主人公のさらさとクールな愛の成長も見ものですが、同期生や先輩にも魅力的なキャラが盛り沢山! タイプの違う彼女たちが抱える悩みにも共感しまくり、心がお祭り騒ぎになる推しキャラが見つかることを約束します▼ 今年アニメ化も決定している大注目作です!

■ 永島隆行(ヤングアニマル編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「数学ゴールデン」藏丸竜彦
永島編集長コメント:久しぶりに全力で主人公を応援したくなった漫画。圧倒的な熱量に感化されてしまったようだ。数学オリンピックを目指す少年少女たちの物語。個性豊かなキャラ達による問題へのアプローチが面白く、泥臭さや天才的なひらめき、作り手との駆け引き、そして解けた時の「すげえ気持ちいい」感覚を一緒に体感できる。完全にスポーツの名シーンと一緒だ。勉強というより挑戦という言葉がふさわしい。数学が苦手な人ほど読んで衝撃受けてハマると思う。“ブレずに変わっていく”熱い主人公をぜひ応援していきたい!

■ 鈴木浩介(LaLa編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「機械じかけのマリー」あきもと明希
鈴木編集長コメント:元天才格闘家のマリー(無表情)の新しい仕事は、大財閥の御曹司・アーサーの専属メイ ド。しかも人間嫌いな彼のために、ロボットのフリで!? 無理あるだろ!!っとツっこみたくなりますが、アーサーの人間に対する冷酷さとマリーへの溺愛っぷりのギャップに笑い、無表情の裏に隠さざるを得ないマリーの恋心にキュン▼ 次々襲い来る暗殺者を一蹴するマリーの強さにスカッと! マリーってボディガードじゃなくてメイドだよな、とか細かい事はどうでもよくなる驚きの面白さです!

■ 鈴木緑視(ヒーローズ編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」柴田ヨクサル(漫画)、石森プロ・東映(協力)
鈴木編集長コメント:40歳になるまで『仮面ライダーになりたい』という夢を持ち続けた(?)オジサンの物語です。えっオジサンが主人公?と思われる方、一話で良いので読んでみてください。オジサンの哀愁に、想いに、引きずり込まれ…、二話目を読んでいるはずです。そして、気付いたら東島丹三郎というオジサンの沼にはまっているはずです。仮面ライダーをずっと描きたかった柴田先生の長年の想いがたくさん詰まっており、その表現力・構成力に圧倒され、加えて、強い個性を持ったオジサン達のキャラに、笑わされ、驚かされ、(心を)泣かされます。仮面ライダーファンの方には勿論、そうでない方、子供の頃なにかのキャラクターに憧れていた方、2021年に大きく飛躍するこの作品を『必読すべき』と私はお勧めします。

■ 毒島由人(月刊アクション編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「カワセミさんの釣りごはん」匡乃下キヨマサ
毒島編集長コメント:ボッチで料理好きなカワセミと釣り好き田舎ヤンキー(?)のミサゴが繰り広げる女子高生釣り&料理マンガ。魚や釣り具、料理の描写がとても丁寧で、グルメもの、釣りものとしてもしっかり楽しい。しかし本作のいちばんの見どころはやっぱりヒロイン。見た目も中身も凸凹なカワセミとミサゴのコンビが、アウトドアライフを通じて互いの足りないパーツを埋め合っていく青春っぷりが心地いい。二人が(友情的に)いちゃつく様子は読んでて思わずニヤニヤしちゃいます!

■ 三田村優(漫画アクション編集長)の2020年イチオシマンガ
□ 「みかづきマーチ」山田はまち
三田村編集長コメント:新人・山田はまち先生の初連載となる本作は、音楽と動く隊列から成るマーチングバンドを題材にした王道青春漫画。やりたいことが見つからない東京の女子高校生・美月が、叔母が住む秋田で“8分間の総合芸術”に出会い成長していく姿に、心が熱くお祭り騒ぎになること必至です。1巻は発売即重版&秋田県内では各種ランキングを席巻、1月28日に最新3巻が発売されたばかりなので、まだご覧になってない方はこの機会に是非!

■ 吉本美雅子(COMICメテオ・ポラリス編集長)の2020年イチオシマンガ


□ 「でこぼこ魔女の親子事情」ピロヤ
吉本編集長コメント:年齢差は200歳超、でも見た目はまるで逆。そんな魔女と人間の母娘、アリッサとビオラが森の仲間達と繰り広げるお祭り騒ぎの毎日。「不死から目線のフェニックス」「童貞クソエルフ」etc…ピロヤ先生の研ぎ澄まされたセンスから繰り出されるパワーワードに笑いが止まらない! どこを開いても笑顔になれる1冊です。4~5月の緊急事態宣言時の発売にもかかわらず、版を重ねる抱腹絶倒のピロヤワールド。テンションアップにもオススメです。