国税庁は3月3日、公式YouTubeチャンネルで採用PR動画を公開した。「これが東京国税局 !!(査察部・徴収部編)」「同(調査部・課税第一部編)」の2本で、国税専門官の受験を考えている人に向けた仕事紹介の動画だ。そこで現役職員の語った言葉がネット上で話題になっている。
同局査察部の男性職員が語ったのは、悪質な脱税を摘発するという仕事内容。仕事のやりがいを聞かれた際には「取り調べを行った結果、(脱税者が)自らの行いを反省し、正直にすべてを認めるに至った時、この上ない達成感を味わえ、やりがいを感じます」と答えていた。
「雑誌等のマスコミ情報、インターネット情報などあらゆる情報を収集します」
この発言に、ツイッターでは「給与以外のヤリ甲斐、諸々あると思うけど、ここまで極上なのはちょっと」「国税専門官の方と話した事は何度かあるけど皆さん目が鋭い」といった反応が寄せられている。
男性職員はまず、従事する「調査担当」の仕事内容について説明する。
「裁判所から保護された許可状、いわゆる令状により、脱税者の自宅や会社を捜索し、脱税の証拠を差し押さえます。その後、差し押さえた証拠の検討と、脱税者や参考人への質問・調査を積み重ね、脱税の金額を明らかにし、検察官に告発します」
もう一方の「情報担当」については「雑誌等のマスコミ情報、インターネット情報などあらゆる情報を収集します」などと説明。その情報から個人、法人を絞り込み、張り込みなどの内定調査を実施しながら資金動向などを緻密に分析する、とした。
仕事内容を説明する男性職員の声からは力強い印象を受ける。意志の強さが感じられる目力についても「これはプロの眼」などと圧倒される人が相次いだ。一方で「それまでにメチャクチャストレス溜まるんやろなぁ」などと仕事の大変さを感じた人もいるようだ。
ワークライフバランスを重視 「女性にとっても働きやすい職場」とPR
また、税務署の管理運営、徴収の指導監督を行う「徴収部」の女性職員は、
「納税することについて誠実な意思のない滞納者に対して、時には部門の垣根を越えてチーム一丸となって捜索・差し押さえを行うなど厳しい処分を行うこともあります」
などと仕事内容を紹介。続けて「滞納整理は、滞納者の言葉に真摯に耳を傾け、真実を見極めるやりがいのある仕事だと思います」とまとめた。
受験生に向けたメッセージとしては「国税の仕事は専門性が高いですが、研修制度が充実していますし、周りの方々もサポートしてくださるので安心して仕事をすることができます」とコメント。ワークライフバランスにも重点を置いており、女性にとっても働きやすい職場になっているとした。
このほか、東証一部上場企業など主に大企業の税務調査を担当する「調査部」、管轄の税務署が行っている申告所得税や相続税に関する事務についての指導監督を担当する「課税第一部」の職員が仕事内容を説明。動画の概要欄に、採用ページにつながるURLを記載している。