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女性の7割が職場で「男性優遇」実感 ジェンダー指数G7最下位も「妥当」が7割

2021年03月03日 13:50  キャリコネニュース

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電通総研は3月2日、ジェンダーに関する意識調査の結果を発表した。調査は今年2月に実施し、18~79歳の男女3000人から回答を得た。

社会全体において「男性のほうが優遇されている」と回答した人は計64.6%。男女別にみると女性が74.9%で、男性は54.1%となった。男性は若年層が4割、60~70代で過半数と年齢を重ねるにつれ割合が高くなるのに対し、女性はいずれの年代も6割超え、50代以上で8割となった。

「フェミニスト」という言葉に好感を抱かない人が6割以上

職場で男性優遇を感じると回答した人は全体で59.6%。男性は48.8%なのに対し、女性は70.2%だった。また、慣習・しきたりで男性優遇を感じると回答した人は64.4%(男性72.4%、女性56.1%)。同じく法律・制度面での男性優遇については、女性(60.6%)が男性(32.7%)を27.9ポイント上回った。

一方、「男女平等だと感じる」が最も多かったのは学校(73.1%)で、次いで家庭(51.6%)、メディアでの扱われ方(46.1%)と続いた。

2020年版ジェンダーギャップ指数で日本は153か国中121位、G7最下位となっている。これについて「妥当」と回答した人は66.7%。「日本はジェンダー平等に向けて真剣に取り組むべきだ」と回答した人は男性で73.3%、女性で83.4%だった。また、「性別による役割にとらわれない登場人物が出てくる広告が増えるのはいいこと」と回答した人は74.5%にのぼった。

よく目にする表現についても聞いた。「『女性活躍』という表現が好きではないという人は全体の58.8%、「『男なら◯◯』など性別できめつける表現が好きではない」は71.6%、「男は男らしく、女は女らしくあるべきだ」は43.7%となった。また、「フェミニストという言葉に好感を持つ」は36.1%で、そう思わない人(63.9%)が大きく上回った。

日本初の女性内閣総理大臣が誕生するのは何年後? 平均27.9年後

日本でまだ認められていない「夫婦別姓」については賛成(42.6%)が多数派で、反対は17.0%、どちらでもないが40.4%となった。議員や管理職などの一定数を女性に割り当てる「クオーター制」は賛成が38.1%、反対が17.2%、「緊急避妊薬(アフターピル)の薬局販売」は賛成が57.9%、反対が6.4%となった。

SDGsで掲げられる17の目標のうち、日本が特に力をいれるべき目標を聞くと、ジェンダー平等に関心が高い層は上位3つが「ジェンダーの平等」(72.0%)、「不平等を減らすこと」(71.5%)、「平和で公正な社会」(69.9%)となった。

しかし、全体では「平和で公正な社会」(56.6%)、「健康であること」(53.4%)、「貧困をなくすこと」(52.2%)がトップ3となり、「ジェンダーの平等」(43.5%)は10位となっている。

日本初の女性内閣総理大臣が誕生するのは何年後かを聞くと、平均は27.9年後だった。国会議員の女性比率が50%になるのは平均33.5年後、企業の管理職女性比率が30%になるのは平均24.7年後となった。