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アンジェリーナ・ジョリー、ブラッド・ピットから贈られた絵画が12億円で落札される 「チャーチルの最高傑作」

2021年03月03日 10:22  Techinsight Japan

Techinsight Japan

アンジェリーナ・ジョリーが出品した絵画が記録的な価格で落札
アンジェリーナ・ジョリーが出品した絵画が、828万5千ポンド(約12億3千万円)という記録的な価格で落札された。絵画は英国のウィンストン・チャーチル元首相が第2次世界大戦中に描いた唯一の作品で、アンジーの元夫ブラッド・ピットから贈られたものだった。当初の推定落札価格250万ポンド(約3億7200万円)を大幅に上回り、チャーチル氏の作品では最高落札額を記録した。落札者については明らかになっていない。

現地時間3月1日、オークションハウス「クリスティーズ」ロンドン本社で「モダン・ブリティッシュ・アート・イブニング・セール」が開催され、ウィンストン・チャーチル氏が描いた油絵「Tower of the Koutoubia Mosque」が約12億3千万円で落札された。

絵画はアンジェリーナ・ジョリーによる「ジョリー・ファミリー・コレクション」が出品したもので、油絵が趣味だったチャーチル氏が第2次世界大戦中に描いた唯一の作品だ。チャーチル氏は1943年にフランクリン・D・ルーズベルト米大統領と「カサブランカ会談」を開催、その後ルーズベルト氏をマラケシュに招き、現地の美しい風景を共有した。チャーチル氏は2人の思い出深い景色を油絵で描き、ルーズベルト氏に贈ったのである。

絵画はルーズベルト氏の他界後に息子エリオットさんが引き取ったが、売却されて数名の人物が所有した。後にアンティーク・ディーラーの「M.S. Rau」の手に渡り、2011年にブラッド・ピットが匿名で購入、その後アンジーへと贈られた。「クリスティーズ」は出品当時、推定落札価格は150万ポンド(約2億2300万円)~250万ポンド(約3億7200万円)と予測していた。

絵画を趣味としたチャーチル氏は、生前に550点以上の油絵を完成させている。同氏が英ケント州に所有した邸宅「チャートウェル」にある池の中の金魚を描いた絵画は、2014年に「ササビーズ」の競売で176万2500ポンド(約2億6200万円)の落札額を記録した。今回アンジーが出品した絵画はこの価格を大幅に上回り、チャーチル氏の絵画では最高落札価格となった。

「クリスティーズ」モダンブリティッシュ&アイリッシュ・アート部門の責任者ニック・オーチャード氏は、この作品について「ウィンストン・チャーチル氏の絵画の中では、間違いなく最高傑作だと言われています」と述べ、このように説明した。

「チャーチル氏の外交的手腕を、最も個人的かつ熱情的に表しています。指導者間における単なる贈り物ではありません。芸術を通じて外交をする“ソフトパワー”であり、特別な関係とはどういうことかを物語るものなのです。」

画像2枚目は『Christie’s 2021年3月1日付Twitter「#AuctionUpdate A new #WorldAuctionRecord for Sir Winston Churchill with ‘Tower of the Koutoubia Mosque’ (1943) selling for £8,285,000.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)