生活にゆとりを持つためには、収入が多いに越したことはない。2019年の厚生労働省の調査では、全国の平均所得金額は552万円と発表された。平均よりも高い世帯年収を稼ぐ世帯はどのような生活をしているのだろうか。(文:中島雄太)
新潟県に住む20代男性(メーカー/世帯年収700万円)は、国内最大手のメーカーで総合職として働いている。
「社宅住まいをしています。地方のため車は2台保有していますが、生活は優雅ではありません。貧しいというわけでもありませんが、節約は必須だと感じています」
「老後の不安もあるので、旅行もせず節約しています」
このコロナ禍でも、男性の働く会社の業績は好調だ。「前年度よりボーナスの額面は増えました」と明かすが、「でもそれ以上に税金も増え、手取りが減った時は怒りを感じました」と不満をこぼした。
大阪府に住む30代男性(ITエンジニア/世帯年収700万円)は「収入が増えても『これまでより少しだけ良いものが買えるかな』という程度で、対して変わらない」と語る。男性には子どもがおらず妻と二人暮らしだが、贅沢をせずに慎ましく暮らしている。
「老後の不安もあるので、できる限り節約をしています。旅行もほとんどしません」
山形県在住の50代男性(小売業/世帯年収800万円)は、多くの不満を抱えている。男性は「平均より上の収入なので楽だと思われがちですが、そんなことはありません」と強調。
「高額な市民税や所得税を払っているのに、子どもの保育料は平均所得の人の倍。そのうえ控除は対象外だったり、子ども手当ももらえなかったりする。デメリットの方が多いと思います」
と語る。男性は「年齢が上がるにつれて介護保険料など払うものが増え、子どもが大学を卒業する時には貯蓄額がほぼゼロになりました。これから定年退職まで頑張って働きますが、40年間きちんと納めても年金をもらえるのか……不安です」と胸中を明かした。
「余裕はないが、所得制限に引っかからないだけマシだと思います」
広島県に住む40代男性(メーカー/世帯年収650万円)は「子どもの年齢が上がるにつれてかかるお金が飛躍的に増えていき、まったく余裕はありません」とコメント。ただし「諸々の所得制限に引っかからないだけマシ。現在の年収におおむね満足している」と語った。
千葉県の40代女性(パート/世帯年収750万円)は「余裕のない生活は嫌だったので、子どもは1人。余暇や趣味も楽しめています」と打ち明ける。女性は家庭の事情からフルタイム勤務ができないため「これ以上収入を増やすのは難しい」と考えており、住宅ローンを繰上げ返済するべく「資産運用で蓄えを増やしています」と付け加えた。
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