経済的理由から希望の進路を断念するのはつらいことだ。奨学金制度は、そのような事態を防ぐためのセーフティーネットと言っても過言ではない。福岡県の20代男性(流通・小売系/正社員/年収400万円)は奨学金を利用して進学を果たしており、
「金利はほぼゼロに近く、返済にはまったく困っていない。こんなに良い条件でお金を借りられるのは学生最大の特権だと思っている」
と奨学金のメリットを語る。男性の借入総額は144万円で、月々の返済額は9000円ほど。確かに返済の負担は軽そうだ。今回はキャリコネニュースに寄せられた「奨学金返済中の人の声」を紹介する。(文:大渕ともみ)
「借りる時に計算したので、たとえアルバイトでも問題なく返済していけると思う」
埼玉県の20代男性(メーカー系/正社員/年収400万円)は月4万円ずつ奨学金を返済しているが、「月2万円くらいの返済額がベスト」と語る。この感覚はあながち間違っていないようで、奨学金の返済額が月2万円前後の人からは、
「借りる時に計算したので、たとえアルバイトでも問題なく返済していけると思う」(三重県/30代男性/サービス系/正社員/年収600万円/月1万8000円返済)
「無理せず返済できています」(千葉県/30代男性/IT・通信系/正社員/年収450万円/月2万円返済)
「今のところ困っていることはない」(大阪府/30代女性/IT・通信系/正社員/年収450万円/月2万2000円返済)
という声が寄せられている。奨学金の返済をどれほど負担に感じるかは個々の年収や生活状況に左右されるものの、借入額を検討する際の参考になりそうだ。
「返済額は負担に感じているが、自分のやりたかった仕事に就けた」
月々の奨学金返済額が2万円を大きく超えると、負担感は一気に増してくる。富山県の30代女性(その他/正社員/年収450万円)は総額1400万円の奨学金を借りており、月々の返済額は5万円に及ぶ。女性は「返済額は負担に感じている」と正直な気持ちを明かしながらも、
「自分のやりたかった仕事に就けたので、奨学金を借りたことについては満足している」
と後悔はない。
徳島県の30代男性(流通・小売系/契約社員/年収150万円)は、総額500万円の奨学金を借り入れた。毎月2万8000円を返しているが「とにかく返済額が高い」と不満を吐露する。確かに年収150万円から年間30万円超を奨学金の返済に充てるのは容易ではないだろう。
上手く活用すればメリットの大きい奨学金制度だが、借金には違いない。社会人になった後の返済負担まで考えたうえで、慎重に借入額を決めたいものだ。
※キャリコネニュースでは引き続き
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