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JR九州、久大本線8カ月ぶり全線運転再開 - 由布院駅で出発式を開催

2021年03月01日 14:22  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
「令和2年7月豪雨」で被災し、一部区間不通となっていた久大本線が1日、全線で運転を再開。これを祝し、JR九州は博多駅と由布院駅で出発式を開催した。「ゆふいんの森1号」の運転に合わせ、沿線各駅での「おもてなし」やオンラインツアーも行われた。

久大本線は昨年7月の豪雨で、豊後中村~野矢間の第二野上川橋りょうが流失したほか、橋脚の傾斜、トンネル・線路への土砂流入、盛土流出など、100件以上に及ぶ被害が発生。一部区間で不通となっていた。年明け以降も豊後森~庄内間で運転見合わせが続き、バス代行輸送を行っていたが、2月13日に由布院~庄内間が運転再開。残る豊後森~由布院間も3月1日に運転再開し、久留米~大分間の全線で運転再開となった。

これにともない、特急「ゆふいんの森」「ゆふ」も博多~由布院・大分・別府間の運転を再開。3月1日は「ゆふいんの森1号」の発車に合わせ、博多駅で出発式を開催したほか、日田駅、天ケ瀬駅、豊後森駅などで沿線自治体による出迎え等も行われた。「ゆふいんの森1号」の車内では、JR九州初の取組みとなるオンラインツアーを実施。運転席から見える風景をライブ配信しつつ、沿線自治体・駅長からの録画メッセージ、復旧工事の概要を説明する動画の配信、客室乗務員による沿線風景や車内紹介が行われたという。

豊後森~由布院間では、沿道や駅ホームに地元の人々が集まり、列車に向けて手旗を振って歓迎していた。由布院駅でも「ゆふいんの森1号」の到着、折返しとなる「ゆふいんの森2号」の発車に合わせ、1番のりばにて出発式を開催。JR九州代表取締役社長執行役員の青柳俊彦氏、大分県知事の広瀬勝貞氏、由布市長の相馬尊重氏らが出席した。

青柳社長は挨拶の中で、「昨年の豪雨で2つの橋りょうが流失し、相当時間がかかるのではないか、我々としては原状復帰させてほしい、と県の皆さんにお願いをしていましたところ、すぐに原状復帰を決断していただきました。広瀬知事の英断、本当にありがとうございました」「久大本線の全線開通に向け、工事を進めていただいた皆さんも、今年は寒い時期があった中、休まず工事をしていただいたと聞いています。感謝を申し上げます」と述べた。広瀬知事も、「(豪雨による)被害が相当大きく、これは3年以上かかるなと心配していたのですが、8カ月で復旧。JR九州に心からお礼を申し上げたい」と挨拶した。

その後、青柳社長、広瀬知事、相馬市長ら出席者によるテープカットを実施。1月30日に「ゆふいんの森」車内で挙式した吉岡忠久さん、小倉沙耶さん夫妻が1日駅長を務め、由布院駅長とともに「ゆふいんの森2号」発車の合図を行った。「ゆふいんの森」が大好きという吉岡さんは、出発式を振り返り、「初めてで緊張しましたが、光栄に思っています」とコメント。小倉さんは鉄道アーティストとして活躍しているとのことで、「ここ(由布院駅)にずっと列車が置き去りになっていたのを見ていたので、とても感慨深い思いでした。車両に一番近い側に立たせていただき、風とエンジン音を浴びながら、豊後森方面へ列車が走っていく喜びを誰よりも感じていました」と話した。(MN 鉄道ニュース編集部)