世帯年収1000~1200万円の人たちのアンケートを見ると、マンションや一軒家を購入する人が多いことがわかる。今後購入を検討している人は、収入に対する住宅購入価格や生活水準の変化が気になるのではないだろうか。
都内在住の40代男性は現在、夫婦二人暮らしで1LDKの分譲マンションに住んでいるが「これから出産を控えているため買い直しします。予算は5000万円程度」だという。新たに購入予定でも「コロナの影響もあり今後の収支面での不安がつきません」と先が見えない状況を悲観している。
では、世帯年収1000~1200万円の人たちはどれくらいの価格で持ち家を購入したのだろうか。他の回答も見て行こう。(文:林加奈)
「6700万円の住宅を4300万円のローンを組んで購入」
40代男性は3500万円の新築住宅を25年ローンで購入した。生活面については「200万円の中古車が1台、高3と中3の子どもが受験を控えている。生活費が安い分には困らないが、稼いでも税金ばかりでかなり引かれるので高収入の実感がない」(鹿児島県/不動産・建設系)と吐露している。
別の40代男性は国立中学に通う中学生と私立中学に進学予定の小学生の子ども2人を育てている。
「6700万円の戸建てを購入。4300万円の住宅ローンを組んで残債3000万円。毎月15万円の支払いがあるからボーナスから補填生活。土地柄、1人1台の車は必須。年金2本、学資2本、その他貯蓄性終身保険2本と家族分の団体共済を支払うと現金は一切残らず、毎日が節約」(愛知県/メーカー系)
と、ローンと保険の支払いが家計を圧迫している様子。ライフスタイルについては「外食は月1回、旅行も国内で1度が限界」と語っている。ただ、子どもの教育費には惜しみなく投資していて「私立医科歯科以外は親払い可能。運転免許も取らせてあげられる。負の連鎖まではならない。下の子どもが中学に進学したら、現在パートの妻には敷地内で独立開業してもらう予定」と、今後の収支の見通しを綴る。
「営業の口車に乗せられず狭い部屋にしてよかった」
都内で7000万円の戸建てを購入した人は
「食費や通信費、娯楽費は年収600万円の頃と変わっていません。車も国産ファミリーカーの中古。2人の子どもの塾・私立中高と家にお金をかけています。ある程度、貯金ができてフローも余裕が出てくると、逆に物欲がなくなってきたように思います」(30代男性/金融・保険系)
と語る。7000万円という価格には驚くが、他の出費を抑えているからこそ収支のバランスが良くなっているのかもしれない。
しかし、ローンの支払いに不安を覚えた人からの声も寄せられた。50代男性は、「マンション購入時に『もっと高額な物件の審査でも通りますよ』と営業にさんざん言われたけど、口車に乗せられず狭い部屋にしてよかった。でなければもっとキツイ生活をしていたはず」(福岡県/不動産・建設系)と綴っている。どれくらいの価格の物件を勧められたのかは不明だが、現実的に返済できる価格帯を考えて購入に踏み切ったのだろう。
ローンは「借りられる金額」と「返済できる金額」は違うと言われている。これから住宅購入を控えている人は、自分の年収で返済できるかどうかをシミュレーションして購入するのがおすすめだ。
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