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ロバンペラが自己ベスト2位で選手権トップ浮上。トヨタ、WRC第2戦を終え両タイトル首位を維持

2021年03月01日 11:31  AUTOSPORT web

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カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) 2021WRC第2戦アークティック
WRC世界ラリー選手権第2戦アークティックは2月28日、競技最終日のSS9~10が行われた。トヨタ・ヤリスWRCでシリーズに参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合2位表彰台を獲得したほか、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合5位、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組が総合20位でフィニッシュしている。

 フィンランド北部のロバニエミを舞台に争われてきたアークティック・ラリー・フィンランドのデイ3は、全長22.47kmの“アイッタヤルヴィ”を日中のサービスを挟むことなく2回走行するスケジュール。SS9の再走ステージとなるSS10は、ステージ上位フィニッシュドライバーとマニュファクチャラーチームにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”となった。

 そんな競技最終日を総合2番手で迎えたロバンペラは、暫定3番手につけるライバルと僅差のバトルを展開するも、最終SS10でベストタイムをマークするとともにこれを退ける。

 惜しくも優勝には届かなかったが、20歳のロバンペラは自己最高位となる2位表彰台とパワーステージ優勝のボーナス5ポイントを獲得したことで選手権ポイントを39ポイントに伸ばし、ドライバー選手権で自身初となるポイントリーダーに立った。

「2位という結果には本当に満足している」と語ったロバンペラ。

「パワーステージでは自分のすべてを出し切って走り、それがうまくいき多くのポイントを獲得することができた。初めてドライバー選手権をリードする立場となったことをうれしく思うよ」

 チームメイトのエバンスは総合5番手でデイ3を迎えると、この日のオープニングステージとなったSS9で今大会2度目となるベストタイムをマークし、4番手のライバルにプレッシャーをかける。
 
 しかし、続くSS10では6番手タイムに留まり逆転には至らず。それでも彼とロバンペラが獲得したポイントによって、チームはマニュファクチャラー選手権首位の座を守っている。

 前日最後のSS8で痛恨のデイリタイアを喫したオジエは、デイ3でラリーに復帰した。ふたたび不利な早い出走順での走行となったものの、パワーステージで5番手タイムをマークしボーナスの1ポイントを獲得。狙いどおり貴重な選手権ポイントを積み重ねてみせた。
 
 これにより前年王者はエバンスと同じ31ポイントで並び、首位ロバンペラから8点差、ランキング2位につけるティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)と4点差のランキング3位となっている。

■勝田貴元が2戦連続で自己最上位フィニッシュを果たす

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、4台目のヤリスWRCでシーズン唯一のフルスノーラリーに挑んだ勝田貴元は、最終のパワーステージでひとつ順位を上げ、前戦モンテカルロに続き総合6位でフィニッシュ。2戦連続で8ポイントを獲得した。

 チーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラは「最終日、カッレ(・ロバンペラ)は総合2位を守り、パワーステージを制し彼自身とチームのために多くのポイントを獲得するなど、今回のラリーでの彼のパフォーマンスは本当に素晴らしいものだった」と20歳の同胞を称賛した。

「エルフィン(・エバンス)は総合4位を目指して頑張ったが、惜しくも届かなかった。両選手権ともに首位をキープしているので満足するべきだが当然、我々はさらに上の結果を狙っていた。今回はチームにとって“ホームラリー”だったので、優勝を期待していたんだ」

「今回はクルマのセットアップに少し苦労し、ドライバーはラリーを通して完全にはクルマに満足していなかった。いくつかのステージでは速かったが、競争力のないステージもあり、その理由を分析しなくてはならない」

 今大会からの挽回を期すトヨタが挑む次なるイベントは、4月22~25日にかけて開催される『クロアチア・ラリー』だ。今戦と同様にWRC初開催となる東欧クロアチアでのイベントはフルターマック(舗装路)ラリーとして行われる。