2021年シーズンからマックス・フェルスタッペンのチームメイトとなるセルジオ・ペレスが、レッドブルF1移籍後初めての囲み取材に出席。シェイクダウンでの新車RB16Bの印象や、フェルスタッペンについて語った。
2018年以降、フェルスタッペンのチームメイトは毎年入れ替わり、ペレスは4年目で4人目のチームメイトとなる。フェルスタッペンという手強い相手にどう対処するつもりか。そう訊かれたペレスは、「10年間のF1経験が、大きな武器となる」「マックスとはライバル同士というより、補完し合う関係と考えるべきだ」と、ベテランらしい答えを返した。
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──初めてレッドブルのマシンを走らせて、どんな印象を持ちましたか。
セルジオ・ペレス(以下ペレス):まったくの新車を走らせるのは、いつだって特別なものだ。ドライバーにもチームにとってもね。冬の間、エンジニアたちが必死に開発を重ねてきたクルマが、ついにコース上で走る。何度経験しても、ワクワク感は抑えられないよ。ましてや今回は、僕にとってまったく未知のクルマだったし。まだほんの少し転がした程度だし、コースコンディションも決して良くなかった。でも確実に、ポテンシャルは感じられたね。その数日前には(2019年型の)RB15を走らせたけど、グリップも速さもステップアップしているのは間違いない。
──シェイクダウンでの実走以外にシミュレーターでも新車を走らせたと思いますが、レッドブルマシンのコンセプトはレーシングポイントとはずいぶん違うのでは?
ペレス:今まで経験したクルマとは、まったく違ってたね。フロントが強いクルマという事前のイメージは、まさにその通りだった。しかも乗ってすぐに、感じるほどだった。誰でも乗りこなせるクルマじゃないのは、間違いない。
──今年は開幕前のテスト日数が限られているだけに、チームを移籍してきたあなたにはチームとクルマに慣れることが例年以上に大変だと思います。
ペレス:それは間違いないね。100%快適に走らせられるようになるには、少し時間がかかると思う。序盤5レースの間にいろんなことにトライして、そのレベルに達することができればと思ってる。もちろん開幕前の今も、いろいろやってるよ。エンジニアとできるだけ多く意思の疎通をし、だいぶスムーズにできるようになった。シートやハーネスも、何度も微調整してるしね。
──その辺りの対処は、うまくできそう?
ペレス:その種の能力は、他のドライバーよりある方だと思っている。心配してないよ。それさえできるようになれば、マシンの潜在能力を100%引き出す自信はある。決して運転が簡単なクルマじゃないと思うけど、100%理解すればやれるはず。そこに行くまで、時間がかかりすぎないことを祈ってるよ(笑)。
■「フェルスタッペンと補完し合うことで最高の結果を出したい」とペレス
──今季のあなたはマックス・フェルスタッペンという、手強さでは屈指のチームメイトと対峙しなければならない。一方であなたには、フェルスタッペンにはない10年間ものF1経験があります。
ペレス:そう。そこは僕の大きな武器になると思う。この世界では、何もかもがうまくいかないことがよくある。プレッシャーのかかり方も尋常じゃなく、打ちのめされそうになる。でも以前にそういうことを経験していれば、正しい方向に集中していけるものだよ。
──あなた自身、マクラーレンの苦しい時代からキャリアを立て直してきた。
ペレス:そう。そうやってキャリアを通じて、自分の技術を磨いてきた。今の僕は、その頂点にいると思ってる。素晴らしいタイミングで、最高のチャンスを得ることができた。きっとうまく行くと思っているよ。
──たとえ相手が、フェルスタッペンであっても。
ペレス:ライバルというより、補完し合う関係と考えるべきだ。マックスは予選一発がものすごく速いから、そこが僕にとってのベンチマークになる。一方で僕の強さは、レースだ。レース中に起きるあらゆる状況に対処して、最適なレースペースを維持する。それに関しては、マックスに負けないと思っている。そうやって二人で最高の結果を出して行けたら、いうことないね。