「コロナ禍で先行き不安だしこれ以上、節約も大変!」なんて嘆くあなたにぴったりなのがはがき懸賞! 懸賞界のレジェンドこと、達人・長場典子さんに「当てるコツ」をじっくり聞いてみた。
「今、はがき応募で主流なのがスーパーで入手できるはがき情報と雑誌や新聞、フリーペーパーの懸賞です。手軽なネット応募が増える中、はがきで応募する人が減っているので実は当たりやすい。特に雑誌のとじ込みはがきで応募することが条件の懸賞は2~5%の応募率! とじ込みはがきのアンケートは一見たくさん書かなければならないような感じに見えるのですが、意外にラクなのでオススメします」(長場さん、以下同)
どうせなら豪華賞品が欲しい! 狙い目人気商品は?
「コロナ禍ですので、巣ごもり生活向きのものが目立ちます。家族で囲む鍋、ホットプレート、高級食材、美容家電など。現金やギフト券も注目」
まずは応募の下準備
【1】情報を制するものが当選を制する
「まずは情報収集。私はスーパーの店頭、懸賞専門雑誌『懸賞なび』をくまなくチェック。今はコロナでひかえていますが、書店の雑誌は、男性誌も女性誌もチェック。懸賞好きの人たち=通称ケーマーさんは、懸賞好きが集まるサイトで情報交換している人が多いです。また、ネットのまとめサイト『懸賞天晴』「とらたぬ懸賞情報」を見るのも欠かせません。特に、『とらたぬ』はメーカーごと、スーパーごとにキャンペーンが確認できるので便利です」
【2】バーコード類は日ごろから収集
集めて応募する場合、締め切りまでに貯めるのは大変そう……。
「バーコードやパッケージは常日ごろから集めています。自分がよく買う商品でキャンペーンを定期的にやるものがあれば『とらたぬ』サイトでチェックするといいですね。切って、仕分けしておけば、懸賞が始まったときに即、応募できてムダな買い物の必要がないんです。調べると驚くほど“定番商品で集めておいたほうがいいバーコード、マーク”はたくさんありますよ」
《集めたいのはこのジャンル》
●ハム・ウインナー系
伊藤ハム、日本ハム、丸大食品、プリマハムは頻繁に実施。「プリマハムは、東京ディズニーリゾートのオフィシャルスポンサーなので、関連プレゼントが充実」。
●ヨーグルト系
ヨーグルトもプレゼントが多い商品。明治乳業、森永乳業など。「バーコードでなくパッケージの一部で応募などの場合が多いので注意。『とらたぬ』さんの“ここを集めなさい”という表があるので、チェックしておきましょう」。
●ドリンク系
コカ・コーラ、伊藤園、キリンビバレッジ、サントリー、アサヒ飲料はキャンペーン多数。「そのときどきの応募方法に注意」。
《バーコード集めの注意点》
商品の値上げのタイミングで、バーコードの数字が変わるときがあるので注意が必要。「値上げ前のものは応募に使えないので基本破棄します。キャンペーンの内容があまり魅力的でなくても、バーコードが変わる場合もあるので、貯まっていたらとりあえず応募。ドリンクの容量が500mlから600mlになったり、ハムのグラム数など商品内容に変更があるとバーコードが変わります」。キャンペーンがあれば、貯まったものは持ち越さずにすぐ応募を。
【3】応募要項は撮影しておく
スマホを上手に利用しているケーマーさんは、専用はがきの応募要項を写真に撮って、携帯のアルバムに、スーパーごとに整理。
「買い物に行ったときに写真を見て、対象商品や何円以上のレシートが必要かなどを確認します。スマホが苦手な場合は、スーパーごとのクリアファイルを作成して、一覧しやすくする人も」
【4】応募期間の短いものは当たりやすい
応募しているのに当たらない……。その原因は“狙い方”にあるかも。
「全体的に言えることは、応募期間の短い懸賞は『当たる確率』が高いです。例えば、キャンペーン期間は長いけど、締め切りは1週間ごとにある場合も同じ。ほかにも、ラジオの『いま聞いている間に応募してください』とか『今から1時間以内に応募』というのも確率が高いので、専門で狙っているケーマーさんもいます」
また、シールを集めるなど応募するのに手間がかかる、条件のある懸賞も、当選確率が上がる!
【5】1万円より千円の賞金を目指す
例えば、マーク5枚で10名、1枚で100名の場合の当たりやすさはどっち?
「1枚で100名のほうです。当選数が多いもののほうが当たりやすいんです。賞品内容としては小さいかもしれませんが、人数が多い懸賞にできるだけ早く応募するのがコツ」
初心者は当選者数の多いものから始めよう。
【6】“○周年”の文字は見逃さない!
「発売○周年と商品に書いてあったら、要チェック! キャンペーンを実施しているという表書きがなくても、会社やブランドのホームページを見たら、気前のいいキャンペーンを実施している場合が、結構な確率であります」
【7】酒類の専用はがき応募は穴場!
本当は教えたくないけど穴場の懸賞は?
「実は、専用はがきがネックハンガータイプになったお酒の懸賞は当たりやすいんです。購入商品が限定され、応募は専用ハガキのみ。さらにスーパーが限定されていれば穴場懸賞と言ってよいでしょう。私は同期間でシャンパン3本を当てました」
【8】高額の買い物はビッグチャンス!
「家電や車など高額なもの、あまり購入しないものが対象の場合は、当たりやすいです。例えば、『○○電機の冷蔵庫を買って、高級牛肉が当たる』というキャンペーンがあったら、応募数はかなり少ないはず。家電などを買うタイミングだったら必ずキャンペーンがないか調べて応募しましょう。
また、JCBのカードは、その期間に5万円以上使ったら、東京ディズニーランドのチケットが当たるキャンペーンなどがたびたびあるので、大きな買い物をする場合は、必ずキャンペーンに参加してから買い物をします」
大きな買い物をするときも懸賞チャンスを逃さずに!
【9】ローカルスーパーは狙い目
「スーパーの規模は、ローカルスーパーのほうが当たりやすいと思います。2店舗しかないスーパーの創業記念で海外旅行を当てたというケーマーさんもいます。懸賞を狙うなら、スーパーははしごしたほうがいい」
スーパーで買い物して海外旅行なんてうらやましい!
「『オオゼキ』というスーパーは切れ目なく懸賞を実施しているんですが、首都圏で41店舗しかないんです。私はたびたびここで当てていますよ」
【10】豪華でも応募数が少ないものは?
「今、海外旅行はプレゼントとしてありませんが、通常はヨーロッパなど日数がかかる旅行の場合、小さな子どもがいる家庭からは敬遠されがちです。だから子育て雑誌にヨーロッパ旅行の応募があれば、狙い目」
その一方で、アジア圏の旅行は激戦。宿泊券も、平日や創業日などの日付指定になると、応募数はぐっと減る。
「最近はほとんど行われていませんが、お宿自身がプレゼントをしているものも穴場懸賞になっています」
今は使い勝手がいい旅行券が人気。
【11】ライバル社の商品は入れない
「一般的にレシート懸賞では、キャンペーンを実施しているスーパー、店舗名、日付、対象商品、合計金額が必要。合計金額より下は切っても大丈夫。ライバル商品の明細が入ったものは私は入れません」
満を持して、いざ応募!
【12】記念切手で差別化を図る
長場さんの懸賞応募セットは、専用はがき、ペン(黒・ピンク・赤)、はさみ、のり、テープ、切手。
「切手は差別化するために、記念切手を使っています。主催企業のCMに関取が出ていたら相撲の切手を使う。チーズプレゼントならチーズ。金沢の食材なら金沢のものなど」
『当選の春が届きますように』とピンクのペンで書いて、桜の切手を貼ったら、207万円のダイヤモンドリングを見事にゲット。
【13】感謝の気持ちを込めたひと言を
コメントは入れたほうがいい? でも、なんて書いたらいいのかわからない!
「キャンペーンを実施している企業や懸賞を進行している企業に寄り添うというか、『今、このコロナ禍でキャンペーンを実施してくださってありがとうございます』『ご自愛ください』と言ったことをいつも書いています」
当たるためには、「当たりますように」ではなく、選ぶ人の心に響くひと言を添える。
【14】提案型のコメントができれば最高
「食品だったら、“こんなふうに食べたら美味しかったです”といった、商品に対する提案もいいと思います。『鍋のもとを炊き込みご飯に使ったらよかった』などというのもナイス。主催者は情報を欲しがっているので、次の商品開発に活かしたいもの」
商品の美味しさだけでなく、提案までできたら最高。
【15】デコよりシンプルはがきで
「今は、懸賞ブームのためデコはがきが常識化していて、みなさんシールなどを使ったデコはがきで応募していると思います。だから、逆にシンプルでいい! クイズの答え、希望賞品、必要事項はペンを替えてわかりやすくするなどのほうが好感を持たれるのではと思います」
専用はがきは、必須項目がすでに印刷されてあるので、書き漏れの心配がないのがありがたい存在。
【16】SNSで拡散をアピール
「大企業とか、これから多くに拡散したい新しい企業に対しては、“SNSで当たったら紹介したいです”というのは、効果があります。もし、SNSが得意だったり、フォロワーの多い人ならぜひ」
【17】レシートはのりで貼るのが正解
レシート懸賞で気をつけなければないけないのは、はがれたり、文字が消えること。
「レシートはのりで貼るのがベスト。のりを使わずに、両脇だけなどをテープで貼ると、郵送途中にはがれてしまう可能性が高い。のりでしっかり貼るのがベストです。テープを使うなら、レシートを透明のビニール袋に入れてテープはレシートの袋を囲むように貼ります。専用はがきも、間違った指示をしている場合がありま」
【18】複数応募は家族の名前で
どうしても当てたいので、たくさん応募したいときは?
「家族に頼んで応募してもらいます。実家の家族や妹の名前で応募することもあります。懸賞は、基本的に同じ人に2個も3個も当たりません。同居の夫、子どもなどで応募してもOKです。
ただし、ペットの名前はダメ。一般的な商品などは大丈夫ですが、海外旅行に猫の名前で当選してNGになった人はいます。招き猫ということで、縁起がいいから猫の名前で応募していたみたいですが、本人確認でダメだったみたいです」
使うなら、人間の名前に限定。
応募後は「次につなげる」
【19】当選したら撮影も
「お子さんなど、家族と当選品を一緒に写真に撮っておくと、その写真を使って再び同じ会社の「フォト懸賞」に応募できる場合もあります。過去を調べてキャンペーンがあったら、撮影しておいたほうがいいですね。
また、できれば、商品だけ撮るのではなく、『お皿に盛り付けたショット』や『当選品を食べているシーン』など、アクションをプラスして撮影しておくのがいいですよ。次の、わらしべ当選につながる可能性が高まりますよ」
【20】応募日記をつけて対策を練る
きちんと記録しておくことで、傾向と対策がわかります。当選品は、インスタなどにアップして写真日記にするのもOK。ダイアリーに書き込んで「目指せ懸賞達人への道!」
最後に、懸賞にはもう1つのメリットがあるそう。
「はがき懸賞をやっていると、脳活にもなります。文字を書く、スーパー行って、この商品を含めて1000円以上のものを買うとか、何日までに応募するというスケジュール管理とか、脳がめちゃくちゃ動きます」
確かに長場さん、同世代の女性よりめちゃくちゃ元気で若々しい!
(構成/河端直子)
《PROFILE》
長場典子 ◎懸賞でマンションまで手に入れた、懸賞界のレジェンド。自らも懸賞主催者や懸賞達人を取材する、日本唯一の懸賞ライター。著書に「ガバちゃんの懸賞入門」(白夜書房刊)