就活塾を運営するAvalon Consultingは2月25日、今年の「一流ホワイト企業ランキング」を発表した。調査は20年12月~21年2月に実施し、厚労省の統計情報・白書、企業のIR情報などを参照に国内1万3000社のデータを分析し、ランキング化した。
ランキング1位に輝いたのは「グーグル合同会社」(前年2位)だった。今年は新型コロナウイルスの影響で順位が大きく変動。昨年まで3年連続首位だった「三菱地所」は8位に転落し、全般的にIT企業の順位が大幅に上がり、コロナの影響を受けたメーカーや広告系企業の順位が下がる傾向があった。
FBは残業少なく、自由度も高い「非常に魅力的な会社」
調査元は、今回のランキングを解説した動画内で「平均年収が圧倒的に高いことに加えて、フェアであろうという風にする文化が特徴的でした」とグーグル合同の印象を語っている。
2位は「Facebook Japan」(同ランク外)。Facebookについては「広告において非常に精度の高いターゲティングができる」と説明。残業も少なく、自由度も高いので「非常に魅力的な会社なのかな」とコメントした。
3位は「三菱商事」(同4位)。平均年収は1632万円で、総合商社の中でも最高額。事業領域は非資源から資源まで幅広く、"万能型"の総合商社だ。「ローソン」をはじめ、「生活のありとあらゆるところに貢献している会社と言えると思います」と紹介した。
4位以降は「三井物産」(同3位)、「サントリーホールディングス」(同10位)、「三井不動産」(同13位)、「マスワークス」(同14位)、「三菱地所」(同1位)、「特許庁」(同8位)、「リクルートマネジメントソリューションズ」(同21位)までがトップ10入りした。
総合商社、不動産デベロッパーも上位に集中
IT業界が躍進した一方で、総合商社や不動産デベロッパーもやはり上位に目立つ。商社に限定すると、3位の「三菱商事」、4位の「三井物産」のほか、12位に「伊藤忠商事」(同7位)、21位に「住友商事」(同9位)、72位に「双日」(同57位)、88位に「兼松」(同67位)などがランクイン。リリースでは、
「30代で年収が1000万円を優に超えるという高待遇が得られることに加え、ビジネスマンとして長期的にマネジメントに関わっていくようなスキルも身につくため、例年人気のある企業群でもある」
と紹介している。
他方、不動産業界に注目すると、6位の「三井不動産」、8位の「三菱地所」のほか、69位には渋谷エリアの再開発を担う「東急不動産」(同ランク外)が入っている。これらの大手デベロッパーは高給で、離職率も低い傾向があった。
デベロッパー以外でも、27位に「リクルート住まいカンパニー」(同51位)、40位に「三井不動産レジデンシャル」(同60位)、42位に「三菱地所リアルエステートサービス」(同ランク外)などの賃貸仲介や住宅売買をする企業も名を連ねた。調査元は、
「テレワークの普及に伴って郊外の物件が売れていることも一つの原因となっているだろう」
と原因を考察している。
今年は多くの企業が上位に食い込んだIT業界では、1位の「グーグル」、2位の「Facebook Japan」、7位の「マスワークス」をはじめ、14位に「ヴイエムウェア」(同11位)、15位に「freee」(同78位)、16位に「セールスフォースドットコム」(同29位)などがランクイン。
以降も、18位に「アマゾンウェブサービスジャパン」(同56位)、19位「日本アイ・ビー・エムシステムズ・エンジニアリング」(同49位)、20位に「Colorkrew」(同52位)、24位に「Apple Japan」(同30位)、25位に「アシスト」(同34位)、26位に「アークシステム」(同28位)などと立て続けにIT企業の名前が並んだ。
調査元は「コロナ禍で企業のテレワーク需要が増えたり、在宅でも巣ごもり需要が増えたことから、今年は多くのIT企業がランクインした。あまりにも多くの企業がランクインしすぎて、他の産業の企業が100位から外れてしまったくらいである」とまとめている。