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クプラがETCR初年度の体制発表。エクストローム、ジェネに加えアズコナ起用へ

2021年02月24日 19:21  AUTOSPORT web

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フル電動ツーリングカー・シリーズ、PureETCR(ピュアETCR)の第2回合同テストがスペインのモーターランド・アラゴンで実施され、クプラの『CUPRA eRacer』が初参加
2021年6月の初年度開幕を控えるTCR規定車両をベースとしたフル電動ツーリングカー・シリーズ、Pure ETCR(ピュアETCR)の第2回合同テストがスペインのモーターランド・アラゴンで実施され、ヒュンダイに加えて『クプラe-Racer』が初参加。そのクプラ・レーシングはテスト終了後に初年度のドライバーラインアップを発表し、長年にわたり開発ドライバーを務めて来たジョルディ・ジェネとアンバサダーのマティアス・エクストロームに加え、WTCR世界ツーリングカー・カップで活躍するミケル・アズコナを起用するとアナウンスした。

 昨年12月に実施された初の合同テストではヒュンダイ・ヴェロスターN ETCRのみの参加となっていたWSC主催の公式セッションに、スペイン・セアトの電動モデルが初めて姿を現した。

 年明け1月末にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されたデイトナ24時間の現地では、そのヒュンダイ・ヴェロスターN ETCRがデモランを披露していたが、そのマシンと同じくWilliams Advanced Engineering(ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング/WAE)製の電動コンポーネント・キットをインストールした『クプラe-Racer』が、ジェネのドライブで待望のトラックデビューを飾っている。

 2日間のプログラムで走り出しを担当したジェネは「テストの初日を終え、メニューの進捗とマシンの感触にとても満足している」と手応えを口にした。

「これは非常に挑戦的なマシンだ。新しいパワートレインに新しいバッテリー、シャシーやタイヤなど、テストする項目が非常に多く、あらゆる作業に取り組む必要があった。やるべきことがたくさんあるが、それらの成果を最大限活用できることを願っている!」

 一方、2度目のテスト参加となったヒュンダイ陣営は、デイトナでもドライブを担当したアウグスト・ファーフスに加え、新たに開発ドライバーに就任したジャン-カール・ベルネイも初めてETCRカーのステアリングを握った。

■3月1~3日の公式テストではジュリアETCRも参加か

「まず最初に、このマシンは本当に素晴らし出来だと言わなければならないね。ヴェロスターN ETCRは本当に強力で、最初のラップからその走りの虜になった。それは“スーパー・クール”で魔法のような体験だったよ!」と、興奮気味に振り返ったTCRインターナショナル最後の王者でもあるベルネイ。

 初の公式セッションを終えたクプラ陣営は、そのテスト終了後の2月22日に現地にも顔を見せていた24歳のアズコナ起用を発表し、初年度シーズンに向け3台体制で挑むことをアナウンスした。

 2018年のルーキーシーズンにWTCR登竜門のTCRヨーロッパでタイトルを獲得するなど、目覚ましい活躍を演じて来たアズコナは、WTCR昇格以降の過去2シーズンはPWR Racing(PWRレーシング)、Zengo Motorsport(ゼングー・モータースポーツ)といずれも異なるチームからWTCRに参戦。それぞれクプラ・レオンTCRと新型クプラ・レオン・コンペティションTCRをドライブしてきた。

 そのアズコナは、2020年も地元スペイン戦でクプラの新型モデルにWTCR初勝利をプレゼントしており、今後はエクストロームやジェネとともに、ETCRコンポーネントの初期の開発作業とマシンへの統合を託される。

「2021年もWTCRと組み合わせて、ともにタイトル争いを目指して戦っていきたいと思っている」と、まずはETCRでの参戦プログラムを決めたスペイン出身のアズコナ。

「昨年のWTCRに参戦したクプラ・レオン・コンペティションTCRとは大きく異なるマシンで、まったく新しい挑戦になるだろうね。でも、チャンピオンシップの開幕時に可能な限り準備を整えて、レースに挑めるよう努力したい。ジョルディやマティアスと一緒に、マシンの開発を続けていきたいと思っている」

 WSCは今後も合同テストのプログラムを予定しており、次回は3月1~3日のイタリア・バレルンガを予定。その現場には、同じくETCRキットを搭載したアルファロメオ・ジュリアETCRの参加も見込まれている。