新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークを導入する企業も増えた。それに伴い、テレワーク客を歓迎する飲食店も増えてきている。
テレワーク・テクノロジーズが運営するテレワークスペースのシェアサービス「テレスペ」では今年1月から「ワイン飲み放題付きテレワーク」プランを提供している。「ワインバルESOLA新宿店」をWi-Fi付きテレワークスペースとして利用できるというものだ。
テレワークでも出社時と生産性が変わらない働き方が求められているが、ワイン飲み放題と生産性は果たして両立できるのか。キャリコネニュースもやってみた。
夢の国!冷やされたスパークリングやサングリア、ワインなどが飲み放題
ワイン飲み放題プランは1人1時間税込1000円で、飲み放題なしだと1時間300円となる。追加料金を払えばフードや別途ドリンクも注文できる。事前にLINEでテレスペに登録し、店でテレワーク利用であると伝えると電源のある席に通された。
Wi-FiのアドレスやパスワードがLINEで送られてくる。ただし会社によっては会社提供のモバイルWi-Fiなどでしかテレワークが認められていない場合もあるので、事前に社内規則を確認したほうがよさそうだ。
筆者は平日の17時半ごろに店舗に訪れた。見たところテレワーク利用をしている人はいないようだった。パソコンを開いて仕事をすると、"ワイン飲み放題コーナー"が目に入る。意識がそちらにいってしまうので、まずは一杯取りに行く。
飲み放題はセルフサービスで、店舗中央あたりにグラスやボトルが並んでいる。スパークリングワインが10種類、白ワイン・サングリアが各7種類ほど冷やされており、赤ワインは常温で8種類あった。
ボトルにはワインの種類や名前、産地、甘口か辛口かが記されているカードがかけられている。複数のワインを少量ずつ飲み比べることもできるだろう。辛口スパークリングをなみなみ注いで席に戻る。
長時間テレワーク利用というよりも「ご褒美スイーツの酒飲み版」
飲みながら優雅に仕事をするぞ!と思ったものの、仕事は次から次へやってくる。中々グラスに口をつけることができないが、「これが終わったら一口飲む」という目の前 にニンジンを吊るされた馬のように働くことはできた。
筆者は飲むと楽しくなってしまう傾向にあり、おかげでいつもより楽しく働くことができた。普段ワインや日本酒などで飲み放題を利用すると気になったものはすべて飲むというスタンスで挑んでいるが、今回はまったくそれができない。
結局、2時間利用したが飲めたのは3杯のみ。いつもなら2時間もあれば10種類は飲めるはずだが、勤務時間中だとそうはいかない。それでも退店するころにはいい感じに酔っていた。
上長には「ワイン飲み放題のテレワークプランを体験してくる」と伝えて許可をもらっている。それでも勤務中の飲酒は背徳感がすごいので、普段より酒の回りが早いように感じた。
個人的には、アルコールを摂取しながら働くと、普段は後回しにしがちな作業も「やってやるか!」と明るく前向きに挑むことができた。結果として生産性は悪くはなかったと感じている。
しかし、毎日このような働き方をしているとアルコール依存症になる可能性が高くなる。酒好きを自覚している筆者としては、ワイン飲み放題テレワークはギリギリの働き方だといえるだろう。
テレスペを運営するテレワーク・テクノロジーズの荒木賢二郎代表は、ワイン飲み放題付きテレワークについて「長時間利用されるというより、1~2時間程度使う人が多いようです」と話す。
「お酒を飲みながらの仕事は、ご褒美や一段落の際のリフレッシュ目的だという人が多いのではないでしょうか。ワークスペースというより、"ご褒美スイーツの酒飲み版"と捉えて利用されていると考えています」
腰を据えて仕事というより、リラックスついでに少し仕事を、という使われ方がメインのようだ。ちなみに同店舗では、飲み放題なしでテレワーク利用した後に、飲み放題プランに切り替えることも可能だ。
テレワークの実施により、労働時間が増えたという人も多いだろう。業務中の飲酒は難しいが、「これが終わったら即飲酒!」という心持ちで働けばオンオフの区切りもつけやすそうだ。