終身雇用が崩壊し、転職が当たり前になった昨今。退職することへの心理的ハードルは低くなってきている。中には合わないと思ったらすぐに仕事をやめる人もいるようだ。
東京都で学校給食の調理業務をおこなっていた40代の男性(年収150万円)は、2か月で職場をあとにした。(文:中島雄太)
「週3日で1か月経った頃から急に、全体見て一人で動いてくださいと言われた」
最初は担当が優しく教えて指示してくれていたが、「結構重労働。お昼は出るが、給与天引き」とこぼす。
「週3日で1か月経った頃から急に、全体見て一人で動いてくださいと言い始めた。まだ、実質10日ほどしか出勤していない頃でした」
男性は、仕事を覚えようと必死で毎日働いていた。メモは細かく取り、質問も頻繁にした。
「メモは取っていましたが全体の流れを教えてもらっていないので、『具体的にはどのようにしたらいいですか?』と聞きました。すると『えーと、周り見てって感じで』と言われました。正直なんだそれと思いましたが、忙しいところは見て覚えろということだと自分を納得させました」
説明を受けていないため、わからないところがあり右往左往することも増えた。そうしたときには他の人がフォローしてくれたのでよかったが、次第に人間関係の悪さが顕著に現れ始めた。
「あんなドス黒い職場はこりごりです」
男性は「長く勤めているパートさんが社員さんをチクチクいじめているところを何度も目撃しました。本人が居ないところではすごく悪口を言っていました」と明かす。
「でも全体のリーダーもお局さんには敵わず、言いなりに。巻き込まれたくないし、自分もターゲットにされたくないなとずっと思っていました」
男性はその後、体調を崩してしまい、それをきっかけに退職した。それにより、ストレスが無くなり体調も良くなった。「あんなドス黒い職場はこりごりですが、こればかりは入ってみないとわかりませんね」と過去を振り返る。
「食堂や給食の仕事って女性ばかりなので、人間関係が深く関わるみたいです。知り合いも社員食堂調理を早々やめたそうなので…」
男性は現在学校給食とはまったく関係ない職種で働いている。知り合いから学校給食で一緒にやろうと誘われているというが、絶対にその気はないとも語った。
宮城県の40代女性(事務員/年収200万円)は、派遣社員として働いていたが2か月で退職した。
「3年派遣終了後で嘱託になれるという慣例があったが、派遣社員には話しかけない雰囲気でした。そのため人間関係が築けませんでした」
女性は自分に悪いところがあるのかと思い、積極的に話しかけた。しかし、状況は変わらなかった。「転職後は雰囲気の良い環境だったので辞めて良かったと思います。嫌ならさっさと見切りをつけるのは大事。職場は2か月、人間は半年でわかります」と綴っている。
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