現地時間2月19日(金)~20日(土)、2021年F3アジアチャンピオンシップ第5戦がアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催。岩佐歩夢(ハイテックGP)はレース1が10位、レース2は11位、レース3は7位でフィニッシュ。シリーズランキングは8位で、F3ルーキー勢によるポイントランキング(ルーキーカップ)では1位となった。
1月末に開幕したF3アジアシリーズは、UAEアラブ首長国連邦の中で全日程が消化される短縮スケジュールとなり、このラウンドがシーズン最終戦となる。
前戦のドバイでは予選2番手を獲得していた岩佐だが、第2・3戦のアブダビでは低調模様だった。そして今回も予選結果は奮わず、1回目が9番手、2回目が7番手タイムとなった。なお最速タイムは2回とも周冠宇(アブダビ・レーシング)が獲得している。
金曜に行われたレース1はシーズン唯一のナイターで、20時10分にスタート。ホールショットを奪ったのは2番グリッドから発進したパトリック・パスマ(エバンスGP)で、その後は一度も首位を譲らず初優勝となるトップチェッカーを受けた。
岩佐はスタートで順位をひとつ下げ、またレース中も混戦に飲まれポイント圏外まで脱落する。残り4分を切ったあたりで1台を抜き、また3番手を走行していたマシンがトラブルでストップ。これにより岩佐は入賞圏内に入り10位フィニッシュとなった。
レース2は土曜の11時15分に開始され、岩佐は12番グリッドから発進。1周目にシリーズポイントリーダーのピエール・ルイ・ショーべ(ピナクル・モータースポーツ)が接触によりリタイアする波乱の幕開けとなる。
3~4台がパックになって走行するシーンが見られる混戦模様となったレースを制したのは2番手スタートのパスマで2連勝。2位には周が入り、ドライバーズポイントランキングで231点のショーべを抜き232点の1位に浮上し最終決戦へ挑むことになった。
岩佐は11位で完走、シーズンを通じてF3デビューのドライバーのみで競われるルーキーカップでは1点差でランキング首位をキープした。
今シーズン最後の一戦となったレース3は、レース2が終了した5時間後の19時30分からスタート。岩佐は7番手からどこまで順位を上げ、F3デビューシリーズをまとめられるかに焦点が当てられる。
レースは周がポール・トゥ・ウインで4勝目を上げシリーズ王座を獲得。これで周はF1参戦に必要なスーパーライセンスポイントが18ポイント付与され、すでに獲得していた21ポイントと合わせて持ち点が39ポイントとなった。
岩佐は大きなアクシデントもなく周回を消化し7位でフィニッシュ。最終成績はシリーズランキング8位、F3ルーキー勢のなかで競われるルーキーカップでは堂々の1位に。またシーズン最高記録は、第4戦ドバイの予選2回目で2番手タイムをマークし、同レース1での3位となっている。
シーズンを通じて決勝レースで確実にポイントを獲得する安定感を見せた岩佐。"本番"のFIA-F3では今まで以上にアグレッシブさが要求されると思われ、今後の成長と活躍に目が離せない。