2月19日、2020年のインディ500を制した佐藤琢磨が、インディアナポリス・モータースピードウェイのミュージアムで行われたボルグ・ワーナー・トロフィーの除幕式に臨み、自らのふたつめの顔が刻まれたトロフィーと対面した。
アメリカの自動車部品企業の名を冠したボルグ・ワーナー・トロフィーは、1935年から世界三大レースのひとつであるインディ500のウイナーに授与される歴史あるトロフィー。スターリングシルバー製の高さ約1.5メートル、重さは約49kgのトロフィーで、1911年以来すべてのウイナーの顔と名が彫刻されている。
2017年に日本人ドライバーとして初めてインディ500を制した琢磨は、すでにそのレリーフがトロフィーに刻まれているが、今回ふたつめの顔のレリーフが刻まれたトロフィーと対面することになった。このレリーフは1990年以来一貫して制作を担っている彫刻家のウイリアム・ベヘレンズによって作られた。
レリーフは琢磨の360度の写真から作り始められ、実際に琢磨とも対面してクレイモデルを制作。さらにクレイモデルは鋳造の後宝石職人に送られ、スターリングシルバーに加工されるものだ。
「ふたたび自分の顔が、ボルグ・ワーナー・トロフィーに永久に刻まれることになり、とても興奮しています」と琢磨。
「ウイリアムの作品は素晴らしい出来で、スターリングシルバーの彫刻にこれほどのディテールを収めることができるのは驚くべきことです。ウイナーたちの個性、キャラクターを表すための彼の努力は特別なもので、この注目すべき徹底したプロセスをふたたび体験できたことを光栄に思っています」
この除幕式には、チーム共同オーナーのボビー・レイホール、マイク・ラニガンが出席したほか、同じく共同オーナーのデイビッド・レターマン、在米日本大使館の冨田浩司特命全権大使からビデオメッセージが寄せられた。
琢磨は2021年後半に、“ベイビー・ボルグ”と呼ばれるボルグ・ワーナー・トロフィーのミニチュアを受け取る予定だ。また、チームもボルグ・ワーナー・チャンピオンシップチームトロフィーを受け取る。