2021年02月20日 12:01 リアルサウンド
『週刊少年ジャンプ』の連載、単行本、アニメも大盛り上がりを見せている『呪術廻戦』。日に日にファンの数も増えている印象を受ける本作だが、多くの人を虜にしている理由の一つは、魅力あるキャラクターたちの存在だろう。登場するキャラクターそれぞれに魅力があり、誰しも必ず刺さるキャラがいるのではないだろうか。主人公・虎杖悠仁が通う東京都立呪術高等専門学校の姉妹校、京都府立呪術高等専門学校の3年、東堂葵も魅力的なキャラクターその一人だ。
以下、ネタバレあり。
東堂は高専3年生ながらにして、高い能力を持つ一級呪術師。ガッチリした体格とチョンマゲスタイルのドレッドヘアが特徴だ。初登場時には、伏黒恵に「どんな女がタイプだ」と問いかけ、「因みに俺は身長と尻がデカイ女がタイプです」とインパクトしかないセリフを言っていた変わり者でもある。
初対面の男性には必ずこの質問をしており、虎杖が「尻と身長のデカい女の子…」と答えたことがきっかけとなって良きライバル的存在になっている。(正確には存在しない虎杖との記憶を東堂が見たためだが……)。そんな熱く、憎めない東堂はキャラクター人気投票でも高い順位にランクインしている。
東堂を言い表すのならば、「味方であることが心底心強い変人」といったところだろうか。まず、なんと言っても実力の高さがピカイチだ。0巻に位置づけられている『東京都立呪術高等専門学校』の作中で起きた「新宿・京都 百鬼夜行」で、東堂は一級呪霊5体、特級呪霊1体を一人で祓っており、しかも一級呪霊相手には術式を使わずに勝利している。その強さから、京都姉妹校交流会や渋谷事変で呪霊に苦戦させられている場面で東堂が登場した時には、大きな安堵感を得た人も多いのではないだろうか。
ただ、強さに比例するかのように変わり者度合いも高い。とにかく妄想力が凄まじいのだ。東堂は長身アイドル、高田ちゃんの大ファン。握手会に通いつめ、出演番組はリアルタイムでチェックしつつ、録画もするというほど気合いを入れて推している。
そして、戦闘の最中でも高田ちゃんが出演する妄想を繰り広げているのである。例えば、京都姉妹校交流会で特級呪霊の花御が繰り出した種子を使った攻撃を受ける直前。「俺が本気で固めた肉体と呪力ならばこの程度の種子!!弾いてみせるさ!!」と考えた直後、高田ちゃんが登場。
わずか0.01秒の間に脳内の高田ちゃんと状況分析をして、種子が呪力を吸う可能性があるという答えを導き出していた。あまりにも独特の世界観を持っているがゆえ、伏黒には「もしかして頭の中身までパイナップルなのか?」、禪院真依には「しっかりイカれてんのよ」と言われたり、交流会での野球対戦で禪院真希がデッドボールを東堂に当てると全員から「ナイッピー」と声が上がったり、周りから若干疎まれているところもいい味を出している。
一見すると“脳みそ筋肉”キャラの東堂だが、実は頭脳派というギャップもある。先に上げた高田ちゃんの妄想然り、戦いでは常に相手を分析し続けており、虎杖を強くなったのも東堂に依るところが大きい。京都姉妹校交流会での花御との戦いでは、虎杖を鼓舞し、黒閃を自分の意志で繰り出せるまでに引き上げていたし、渋谷事変でも虎杖の戦意を戻し、真人の動きを冷静に分析。肉体にダメージを受けるとわかりつつも、緻密な分析のもと虎杖のアシストをして、勝利へ導いていた。これぞ、一級呪術師たる所以なのだろう。
憎めないキャラクターと独特の世界観、そして確かな実力と冷静な分析力。類まれなる才能を持つ呪術師に欠かせない要素を併せ持つ東堂が愛されるのも納得だ。原作では渋谷事変で大きなダメージを受けたが、命に別状はない様子。複雑な思いを抱える虎杖を、再び助けるのは東堂……なのかもしれない。そんな期待をしながら、続編を楽しみにしたい。