2021年02月18日 23:01 弁護士ドットコム
特攻服姿やダンスなど、ド派手な選挙活動で知られる埼玉県戸田市のスーパークレイジー君(本名:西本誠)市議は2月18日夜、戸田市に隣接する川口市で会見を開いた。居住実態がないとして、当選無効をもとめる異議申し立てが出されたことについて、"濡れ衣"だと釈明した。
【関連記事:80歳母「最後の恋、いい夢見せてくれた」30代男性に1億円贈与…息子「ちょっと待て!」】
1月31日投開票の戸田市議会議員選挙で、スーパークレイジー君市議は912票を獲得し、初当選した。定員は26人で、得票数としては25番目だった。その後、市選挙管理委員会が2月16日、同市議の当選無効をもとめる異議申し立てを受理したことを発表していた。
「夜中に市役所職員に呼び出されて、議員就任の前に辞職を遠回しにすすめられた」
スーパークレイジー君市議は2月16日、ツイッターでこんな投稿をしていた。市役所職員は、市選挙管理委員会の事務局長で、呼び出されたのは2月4日夜とされる。
同市議によると、事務局長とは、もともと雑談をする仲で「親戚のおじいちゃんみたいな感じ」という。2月4日に呼び出された際、どんなやりとりがあったのだろうか。記者会見で次のように説明した。
「テニスの素振りのような動作をしていた。なかなか切り出さないので『本題はなんですか』と言ったら、『君は子どもたちに好かれている。裏切りたくないよね』『(市議の当選を)取り消したい連中がいる』と(言われた)」(スーパークレイジー君市議)
さらに「ごめんなさいと言ったほうがよいかもしれない」「戦うか戦わないか気持ちを聞きたい」と言われたので、市議は居住実態を示す書類を見せて、「(自身に対する)粗さがしには気を付けている」と反論したそうだ。
少しわかりづらいが、あくまでスーパークレイジー君市議によると、居住実態はあるが、何者かによって「ハメられた」というのだ。事務局長の呼び出しは圧力だったのだろうか。市議はどのように感じたのか。
「(職員から呼び出しの)電話があったとき、車のスピーカーだったので、妻や妹が聞いていた。妹は『お兄ちゃんハメられるんじゃね』『(外出自粛期間であるにも関わらず)20時以降に出歩いて揚げ足を取られたらどうするんだ』と言われた。
だが、『いやいや、お世話になっている人だから』と(会いに行った)。情報を教えてくれるバカ正直な人がいるんだなと思ったが、最後のほうは『ごめんなさい』という言い方を(レクチャーされた)」(スーパークレイジー君市議)
報道によると、市選挙管理委員会の事務局長は2月18日付で異動になっている。
なお、この日の会見は、戸田市内ではなく、隣接する川口市の市役所の記者クラブで、加盟社向けにおこなわれた。「戸田市に確認したら『あまり会見を開く人がいない』ということですすめられた」という。
また、フリーランス記者や動画配信者、ネットメディア(弁護士ドットコムニュース)は、記者クラブの会見室に入れてもらえず、そのあとに市役所の駐車場でもおこなわれた会見に参加した。
スーパークレイジー君市議によると、会見室が狭く、密を避けるためで、記者クラブ以外の取材を拒否する意図はないということだった。