ルックスは学歴に影響するのか否や――。米カリフォルニア大学サンタクルーズ校のガリーナ・へイル教授らが2月12日、外見が大学でのキャリアに与える影響を検証した論文「Do Looks Matter for an Academic Career in Economics?」を発表した。
調査は2002~06年に、米国の経済学部トップ10を卒業した752人を対象に実施。匿名の評価者241人が、対象者の外見がどれだけ魅力的かを数値化し、卒業生の就職先における成功度合いを調べた。
外見は会議やプレゼンでの成功度合いにも影響
結論では「外見的魅力は、学業、雇用の成功、研究成果に関連する」とまとめている。とりわけ、外見が魅力的な学生ほど上位ランクの教育機関を卒業しており、博士課程の修了後には政府関連や教育機関よりも民間企業に就職する傾向があった。
また、教育機関に就職した場合でも、外見が魅力的な人はより上位ランクの大学に在籍し、より良い研究成果を得られるという。こうした外見による違いは"かなり大きなものになる"とも記述がある。
論文では、仕事では対人相互作用が働くことから、外見の魅力によって生産性が上がることを指摘。個人による研究が中心の教育機関の仕事についても、セミナーや会議といったプレゼンテーションの機会で、外見が成功度合いに影響し得るとした。さらには、魅力的な外見は、文献の共著に紹介される機会まで増えるというから驚きだ。
国内でも、人事採用の現場において"顔採用"が話題になることがある。営業や受付、接客といった職種を中心に、求職者の合否を「見た目」によって判断するという意味だが、論文中でも「雇用者は外見の好みを持ち、求職者の才能や能力の評価から切り離される」と他の文献を引用している。
また、外見が魅力的な人はコミュニケーションに長けているか、そう見られることによって、雇用されたり、文献を執筆できる機会を得やすい――とも。大学での研究成果であっても、魅力的な外見が好材料になるという点においては「他の産業とそこまで変わらない」と結論付けていた。